2013年度 政府予算獲得行動 夏 2012.07.18 

 2012年度 政府予算獲得行動 冬 2011.11.29

 2012年度 政府予算獲得行動 夏 2011.07.19

 2011年度 政府予算獲得行動 冬 2010.11.29 

 2011年度 政府予算獲得行動 夏 2010.07.27

  《緊急提言》 2 子ども手当を給食費等の学校徴収金へ 2010.02.16

 2010年度 政府予算獲得行動 冬 2009.12.07

  公教育の無償化にむけた取り組みを強化しよう《緊急提言》

 2010年度 政府予算獲得行動 夏 2009.07.02

  2009年度文教予算・補正予算の分析(設備・備品関係を軸に)

 2009年度 政府予算獲得行動 冬 2008.12.01

 2009年度 政府予算獲得行動 夏 2008.07.08

 2008年度 政府予算獲得行動 冬 2007.11.27

 文部科学省の平成20年度概算要求(定数関係)について

特別報告 

 ■2007.8.31文科省2008概算要求を読む(定数関係の分析)
 【
全頁版

   目次 1.背景経緯 2.概算要求解説 3.全体像と今後 4.学校事務職員としての判断

 ■2007.9.4文科省から資料受領と若干の質疑 【全2頁

 2008年度 政府予算獲得行動 夏 2007.08.02

 2007年度 政府予算獲得行動 冬 2006.12.05

 2006年度 政府予算獲得行動 冬 2005.11.28〜29

 2006年度 政府予算獲得行動 夏 2005.07.12

 2005年度 政府予算獲得行動 冬 2004.12.01

 国庫問題 各省庁へのヒアリング 2004.10

 2005年度 政府予算獲得行動 夏 2004.7.22-23

 2004年度 政府予算獲得行動 冬 2003.12.03

 2004年度 政府予算獲得行動 夏 2003.07.16

 2003年度 政府予算獲得行動 冬 2002.12.03

 2003年度 政府予算要求行動 夏 2002.07.10

 2002年度 政府予算要求行動 冬 2001.11.29

 2002年度 政府予算要求行動 夏 2001.07.11

 2001年度 政府予算要求行動 冬 2000.12.06

 2001年度 政府予算要求行動 夏 2000.07.26

 2000年度 政府予算要求行動 冬 1999.12.02
                         

【2013年度 政府予算獲得行動 夏 2012.07.18】

 自治労学校事務協議会は7月18日、自治労の第1次政府予算要求中央行動の一環として総務省、文科省、厚労省、外務省と交渉を実施しました。省庁交渉の記録はガクロードットコムと自治労学校事務協議会情報誌「印象派」に掲載される予定ですが、以下概要をお知らせします。
 詳細な交渉記録は下のPDFファイルを参照ください。

 

【文部科学省】
 学校徴収金の取り扱いと定数関係を中心に要請の趣旨説明と意見交換を行い、以下の前進回答を得ました。

1 公教育の学校徴収金(学級費、給食費等)における会計処理については、地方自治法第210条(総計予算主義の原則)、同第235条の4第2項(公会計に属しない現金の保管の禁止)を遵守して行うべきとする総務省の解釈を尊重する。

2 教職員が勤務時間中にPTA会計業務等の業務に従事することは地方公務員法第35条で規定されている職務専念義務に違反する。ただし、学校徴収金(学級費、給食費等)に係る業務については、学校教育活動に付随する公務という整理をしており、職務専念義務違反とは考えていない。

3 要保護・準要保護児童生徒を算定基礎とする教職員定数については、毎年6月に行っている定数報告以前の自治体判断による配置も追認する。

 

【厚生労働省】
 児童手当からの保護者の同意に基づく学校徴収金等の自動徴収について、会計処理の課題を指摘し、文科省との調整を求めました。
 厚労省からは「給食費等を公債権化しない限りは強制徴収はできない」としつつも、「制度を実効あるものとするため関係省庁と連携して行きたい」との回答がありました。

 

【総務省】
 学校徴収金の会計処理の問題については、従来同様、「学校給食が自治体の事務として行われているのであれば公会計処理すべき」としつつも、「行政実例の撤回も含めて文科省が判断すべきことであり、現在はその回答待ち」との立場を繰り返すに終始しました。
 定数に関しては、学校現場でも非正規職員が増加している実態に触れ、正規職員での定数確保を求めたが、「地域の行政需要や実情に応じて自治体が判断すべきこと」とし、「定数増については例えば35人学級の推進で純増分を外に求めるのは難しいのではないか」との見方を示し、「現行定数において自然減分の維持を文科省がどうやって財務省説得するかである」と述べました。

 

【外務省】
 高校と大学の学費を段階的に無償化することを定めた国際人権規約A13条について、大臣が留保解除に向けた取り組みを事務方に指示したことを踏まえて、山根副大臣(秘書)とこの件で国会質問を行った武正前副大臣に要請を行いました。武正前副大臣からはその場で進捗状況を外務省に確認してもらい、「推進に向けて努力する」との回答を得、さらに、山根副大臣からも「状況を調べて後日回答したい」との答えがありました。

 

【対応のまとめ】   2012.07.18 文科省  2012.07.18 総務省  2012.07.18 厚労省

 

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【2012年度 政府予算獲得行動 冬 2011.11.29】

 自治労学校事務協議会(学事協)は11月29日、自治労の第2次政府予算獲得中央行動の一環として、厚生労働省、総務省、文部科学省、財務省への要請行動を実施し、各省で話し合いを持ちました。

 厚生労働省では未納の学校徴収金等の子ども手当との相殺についての課題一本です。質問に対し厚生労働省は「子ども手当からの同意書は該当者から取るのではなくて全家庭から取る」「自治体に渡った以後の子ども手当の扱いに厚生労働省は感知しない」「相殺方法や確認書類等は当該自治体の規則等による」「Q&Aの学校徴収金等については厚生労働省の所管外なことなので、正直、作文は文科省にお願いした」「保育料が同意書を必要としないのは法に公債権と規程があるためで、給食費等についても法整備さえすれば不可能ではない」と回答が続きました。
 参加者から「同意書は全員からもらって欲しいとのことだが、同意書があるならば、その全員から相殺を実施して構わないのか」と質すと、「自治体の判断で構わない」と回答しました。
 最後に自治労学校事務協議会から、「徴収金について文科省に作文してもらったのならば、地方自治法に抵触する部分については総務省と確認して欲しかった」として、以後も協議に応じるよう求めました。

 総務省は「例の自治法違反の件ですね、水面下ではいろいろ協議しているんですがねぇ…」に続き、「学校徴収金等の現在のあり方に関して、総務省の見解は変わりようがない。今のあり方は絶対に認められない」「解決は、自治法に則って整理するか、これの例外とする法律で規定するしか方法はない」「厚生労働省の件については、後でウチへ連絡が欲しいと伝えてもらえないだろうか」と淡々とした回答で終わりました。

 文科省では夏と変わらぬ四角四面の回答が返って来ました。しかし、学校徴収金全体と給食費に関しては、関係各課等との事前調整で若干の差異が感じられ、何らかの方向を出さざるを得ない状況に至っているかと思われます。文科省が昭和32年の行政実例の回答を変える理由として「子ども手当」という絶好のきっかけがあるのに、なぜ20世紀の負の遺産にこだわり続けるのか、全く理解に苦しみます。

 財務省に対しては、「子ども手当が受けられ、さらに公教育無償となれば万々歳だが、現状ではなかなか難しい。子ども手当と未納の学校徴収金等の取扱いについて関係省庁が円滑に動けないなら、国費全体を扱う財務省として、我々の国庫負担問題を課題にしたときのように、事務手続きを簡素化した現物給付ができるよう提言して欲しい」と公教育無償化等について述べてきました。

 

 また、自治労学校事務協議会の行動に先立ち、自治労中央本部による政府予算要求書の各省庁への提出が行われ、これを各県本部へ報告した通知文から以下引用します。

【文科省】
 11月24日午後、自治労は2012年度政府予算編成に関する要請行動の一環として文部科学省要請を行いました。自治労側からは川本書記次長、石上総合組織局長、中平政策局長、藤本現業局長、礒田学校事務協議会議長が参加しました。文部科学省からは、神本美恵子政務官が対応し、冒頭、川本書記次長より要請書が手渡されました。
 川本書記次長からは「義務教育実質無償化にむけ、保護者負担金の実態を把握し、その縮減に必要な財源措置や制度改革とともに、就学援助制度拡充と条件整備に尽力願いたい。過去の行政実例を見直し、給食費等私費会計の公会計化を早急に進めるとともに、子ども手当から全児童生徒の給食費が自動徴収できるよう改善願いたい。子ども手当からの給食費補填は、極めて繁雑な処理や混乱が想定されることを指摘し、給食費の完全無償化によって抜本的な改善を図るべきである」と公教育無償化に向けた第一歩としての要求を述べました。
 これらに対し、神本政務官は、「−略−給食を実施していない自治体もあることから、保護者に子ども手当を支給し、給食費を私会計で処理している」と回答しました。
 最後に、自治労側から、事務レベルでの継続協議とともに、現在、総務省が文部科学省に対し実態把握と改善策の提示を求めている私費会計の扱いについて、法令に基づき適正に会計処理されるよう改善を求め、神本政務官から、「要請を踏まえ、予算措置するよう努力する」との回答を受け、要請を終了しました。

 

 

【対応のまとめ】  2011.11.29厚労省    2011.11.29総務省    2011.11.29文科省

 

  

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【2012年度 政府予算獲得行動 夏 2011.7.19】

 7月19日、自治労学校事務協議会は自治労の第1次政府予算要求中央行動の一環として総務省及び文科省との交渉を実施しました。
 詳しくは交渉記録をご参照ください。
 以下、公教育無償化の要求に関係する学校徴収金の公会計処理に向けた内容について概要をお知らせします。

 学校徴収金の取扱いについては、「公会計化に向けて整理すべきとし、そのために文科省へ実態調査を求めている」とする総務省と「実務を知らない人間が法解釈をするから見解の相違が生じる。我々の判断に誤りはない」とする文科省との間で依然として隔たりがありました。省のメンツにこだわり、これまでの取り扱いを簡単には変更するわけにはいかないとも取れる文科省の姿勢は、一度走り出したら止まらないという国の事業を象徴しているかのようですが、学校現場の省力化と公教育無償化に向けて早期の解決が望まれるところです。

 また、学校事務協議会からの「経理事故が全国で発生していることもあり、全国各地の自治体で学校の私会計を教育委員会が整理をするということが全国的に増えている。その結果、私会計を公務として位置づけるということが進んでいるが、法的に馴染まないのではないか」との質問に対して総務省は、「私会計を公務として位置づけるということは、論理矛盾なので我々としては全く理解できない。」との答えでした。いずれにせよこの課題については、両省とも震災への対応を理由に時間を要しているとしていますが、次回12月の交渉の際には一定の前進回答を得たいものです。

 

【要請項目】

 学校における経理事故の防止と適正化を図るため、地方自治法等の関係諸法令を遵守した会計処理がなされるよう、必要な措置を行なうこと。

 特に学級費、学校給食費等の学校徴収金の取り扱いは、地方自治法第210条、第235条の4第2項違反であることを文部科学省と協議し地方自治体への改善を行うこと。

 また、学校給食費の公会計処理への移行については、旧文部省時代の行政実例によって各自治体が判断を行なっており、関係省庁とも調整のうえ、早急な改善を行なうこと。

 

【総務省の回答・見解】

・今回、政府から提出したこども手当に係わる協議の際に、文部科学省へ申しれを行ったところである。地方自治法上の問題点を一通り説明し、その上で、公会計への移行が望ましいということもお話しした。

・文部科学省には、現在検討のための学校徴収金の実態を調査してもらっている状況である。

・文部科学省の言っている、私会計にしておくことのメリットは現在はもうないだろう。戦前戦後の取り扱いの意義は薄れてきているということは文部科学省とも共通していると思う。

・文部科学省は、総務省の地方自治法の考えに基づいた方法で検討したいとストレートに述べている。歳計外現金の取扱いをどうこうという問題ではなく、地方自治体の実施主体として公会計に移行するための準備を検討するという前向きな考えだった

・昭和38年の議論では、団体が責任を持って保管するお金については、きちんと法令に位置づけるべきだという整理であり、個人が任意にやることまで否定するわけではないので、文部科学省として公金として管理すべきお金であるのか、それとも全く違った次元のレベルで管理すべきお金であるのかを整理してもらって判断する必要がある。

 

【文科省の回答・見解】

・総務省と文科省で見解に相違があり混乱を招くとのご指摘をいただいたことを踏まえ、今、総務省と意見交換を行っているところである。

・総務省との見解の相違について、総務省は行政全体を見てはいるが、とりわけ教育行政の実務に関しては全く関知していないわけで、実務を関知していない人間が法解釈をしてしまうとそういうことも起こり得るだろうなというのが我々の感想である。

・我々が給食費に係る実務について説明しても、向こうは始めて詳しく聞く話なので、「あまりにも複雑でわからないので整理して持ってきて欲しい」と言われている状況である。

・我々としては全校調査というようなことは全く考えていない。逆にそういうことは現場の皆様に多大なご迷惑をかけることとなる。サンプルとしていくつか例示をするなどで総務省と話をしようと考えている。

・総務省からは、まず実態についての説明を聞いてから違法かどうかを判断したいと言われている。我々としては今のやり方が間違っていることは念頭にないが、まず、我々の考え方や実態を説明して理解を求めるというのが先で、それでも納得できないというのであれば、そこから整理をしていくことになると考えている。

・震災への対応による影響はある、12月までには整理をしたいという思いはある。

 

【対応のまとめ】 新規窓が開きます   2011.07.19総務省    2011.07.19文科省

 

 

 

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【2010年度 政府予算獲得行動 冬 2010.11.29】

 自治労学校事務協議会は、自治労の各省庁あての要求書に基づき、11月29日(月)中央行動を実施し、総務省と文部科学省と交渉を行いました。

 交渉では、学校徴収金の取り扱いについて、総務省と文科省の見解が全く異なり、急遽、議員会館を巡り、内閣法制局等の見解を質すことの可否などを探りました。

 文科省は学校徴収金について、平成20年度に調査した保護者が支出した子ども一人当たりの学校教育費が、小学校で約98,000円、中学校で175,000円となっていることを明らかにしたものの、学校徴収金の位置付けは、設置者については首長であることを正したものの教育委員会がその権限を委任されているとの珍見解を示す等、7月の内容を頑なに主張するに留まりました。

 総務省は非常に明快であり、「学校給食費について、旧文部省において地方公共団体の収入として取り扱う必要はないとの通知は発出したことは承知をしている。しかしながら、学校給食を市町村の事務として処理している場合、その学校給食費は公金であるので、学校職員が直接収納する場合は地方自治法第171条の規定に基づき、当該学校職員を出納員としてその収納と保管を行わせることになるが、収入したお金は市町村歳入予算に計上しなければならないと考えている。また、学校給食を市町村の事務として処理していない場合は、地方自治法第235条4の2の定めにより現金を保管するためには法律または政令の規定が必要であるので、それがない場合は保管することができないということになる」、さらに「地方自治法の判断は我々の所管するところであり、この間の判断については揺るぎないものと考えている」としました。

 中央行動の後、幹事会を開催しました。そのなかで、一部懸念の声もあがりました。もしも、地方自治法を超える法律を作る際、現状の給食費や教材費など保護者が学校へ納入するお金について、各地各校ばらばらな状況のままを許すものが出来たら、自治体も学校現場も多忙化が解消されないままになってしまう、と。これらについては様々な角度から検証する必要があります。

【対応のまとめ】 新規窓が開きます  2010.11.29中央行動の記録(文科省・総務省)

 
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【2010年度 政府予算獲得行動 夏 2010.7.27】

 自治労学校事務協議会は7月27日、中央行動を実施し、総務省、文部科学省へ要請を行いました。
 国への要請の第一は公教育無償化です。
 これは、子どもたちの貧困の連鎖を断ち切るための視点をまず示しながら、そこに繋がる高校の授業料無償化の具体的な業務、義務制の完全無償化や教職員定数など多岐にわたる課題を浮き彫りさせるためです。

 小・中学校を無償化する財源を確保するためには、いま学校で集められるお金の実態を検証し、課題を整理しなければなりません。
 しかし、文科省はこのフレームを理解できないかのような姿勢のままでした。

 例えば、財源が仮に子ども手当と想定しても、いろいろな省庁から狙われています。その中から、公教育無償化、取りあえずは義務制諸学校の完全無償化を課題へあげるためには、国民等から理解されなければなりません。
 高校授業料の無償化については、自治労は議員要請を含め、積極的な取り組みを行いました。朝鮮高等学校への給付も含めて重要な課題が残っていました(近々、支出される方向で解決の動きも…)。手数料や授業料以外の経費や手続きなど事務的にも課題が残っています。
 また、小・中学校で集められる給食費、教材費など授業に使うものが私費負担になっている事態の改善を求めて来ています。
 特に私費徴収金の取扱いについて総務省は、職務専念義務違反であることを明言しました。昨年、私たちが課題を投げてから、水面下で省庁間の調整もあったようですが、依然、文科省は変わらずの対応です。

 文科省は、徴収金は委託契約によって行っているので合法であり、業務も職務として行うことができると明言し、省庁間での見方の違いが鮮明となりました。

 しかし、このとき、誰との委託契約かを質すと、保護者と設置者の私的契約と述べたため、設置者とは誰かと問うと教育委員会であるとお粗末な回答。さらには、設置者である首長と保護者の双方に契約行為の認識があるか否かすら回答できませんでした。

 一方、北海道の高校でPTA会費から校長会等の経費を払っていたことが報道されました。
 小・中学校でも、保健主事会費、特別支援の各団体会費、教護協会費等、PTA負担を強いている学校が少なくありません。しかし、これらは校長会のような任意団体とは異なり、全くの私的な団体であると断定するのは難しいです。むしろ、公教育として必要な団体ならば、自治体が負担すべき経費では無いかとも思われます。さらに、部活動や教育活動を支援する後援会組織と、その名称で全家庭から徴収される会費。これらはスクールバンドへの補助や研究会経費、周年行事等に支出されるケースも多々。私費の取扱いは、一旦火が付くと、とんでもないことにも成りかねません。
 まさに私たちは危機管理について述べているのです。

 定数改善計画については前日、部会から大臣へ答申があり、これは始まったばかりの印象でした。答申に1学級35人という具体の数値が入らなかったのは何か嫌な感じを受けました。今後、財務省の考えも含めて年末までの取り組みとなります。加配措置は基本定数に切り換えていくことが中教審の方向性。学校事務の共同実施も加配措置のひとつです。
 このようななか、事務センターや共同実施の先駆けとなった大阪の事務センターが整理統合されることが報道されていました。
 私たちは、「集めて・潰す」ことに反対してきました。各仕事の相関関係を無視して分類整理したものから一見馴染みやすい個業ばかりを抜き出して、それだけの対応をする人員を一カ所へ集めるような手法について、十分注意しなければ合理化へ直結すると発信してきました。これが現実となりました。定数改善へは、このような影の部分を引き出すことが無いように注視することが大切です。

【対応のまとめ】 新規窓が開きます  2010.7.27中央行動の記録(総務省・文科省) 

 
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【2010年度 政府予算獲得行動 冬 2009.12.7】

 12月6日と7日、自治労学校事務協議会は冬の中央行動を実施しました。
 6日は中央本部で幹事会を開催し、学校事務集会in福井の詳細など、翌7日9時から3省交渉の打ち合わせのため幹事会を再開し、午後から財務省、総務省、文部科学省と要請行動を行いました。

 さて、7日の行動の最後であった文部科学省で少々緊迫したやり取りがありました。

 この日、最初の総務省では、学校徴収金など私費会計について話題が集中し、歳出歳入外現金について地方自治法第235条4項2に抵触する状況もあることが確認されました。ただし、実態的なこれら諸会計の存在そのものが即、=違法ということではありません。そして、授業料が無償になって、徴収金等の徴収だけのため、手数料やシステム維持等の費用を公費支出することは可能か否かについても検討を要請しました。
 その後、交渉団は財務省と参議院議員会館に分かれ、文部科学省で合流しました。
 議員会館では財務副大臣でもある峰崎参議院議員と相原参議院議員の事務所を訪問しました。浮上した高校授業料の所得制限について、自治体と現場の経費や労力の負担について具体的なペーパーを用意して説明しました。財務省へも要請に加えてペーパーを渡しています。

 文部科学省では、総務省でも見解が示された私金会計についての当事者としての認識が無い回答から議論が集中しました。
 しかも文科省は「それぞれの自治体の課題」「学校限りの私金」「実態把握もしていない」等、責任回避する発言に終始し、自治労側から激しい疑義が出されました。
 そもそも今回、給食費、学校徴収金や預かり金等に係わる回答を引き出すことは、事前調整済みで、文科省にも対応を考えるよう伝えてあります。
 私たちも学校徴収金自体を違法=停止という考えを持っておらず、例えば、これまでの準公金などとの造語による微妙な位置づけ、曖昧な事務処理、責任の所在が無い状況等を放置できないという認識です。総務省の言うように地方自治法第235条4項2を打ち消すような特例法を措置することが必要です。

 さらに、助け舟を出そうとした給食担当が「給食費の7割近くが振替なので私金の保管にあたらない。そのため、事務も大幅に軽減されおり、教員が多忙になることなど考えられない」と油を注ぐ発言。

 自治労側から「まったく意味不明な発言。例え振替でも未納等があり、督促や対応で担任を含め教職員が係わってくるのは当然だ。振替を実施するための事務処理も膨大にあり、複雑な現場事情を抱えて頑張る学校に対し、文科省がハシゴを外してどうするんだ。全く無理解だ」と怒りの声。

 最期には自治労側から助け舟的に「(1)文科省を糾弾しに来たのではない。(2)掲げた公教育無償化の目標のためにも、まず現状を整理したい。(3)徴収金等について、安全で安心な仕事として、法整備を行うべきだ。(4)目標は遠いが、全ての公が果たす教育を無償へ転換し、世代間の継承や支え合いのため次世代の育成を強化する。(5)たとえ親が失業しても、次世代を担う子どもが何の不都合もなく教育を受けられることこそ社会の真理ではないか。(6)これらは文科省と認識を一にすると信じている。(7)このような姿を描くことが文科省の存在意義ではないか。(8)私たちは、文科省とそういう枠組みを作りたく、その一歩としての整理を提案している」と続けて収拾を図る始末。実態を把握した上で省内の考え方を整理するよう求めました。

【対応のまとめ】 新規窓が開きます  2009.12.7総務省    2009.12.7文科省

【緊急提言】公教育の無償化にむけた取り組みを強化しよう 新規窓が開きます  2009.12.10公教育無償化強化

 
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【2010年度 政府予算獲得行動 夏 2009.7.2】

 自治労は7月2日、2010年度政府予算獲得中央行動の一環として、学校事務協議会と大都市共闘教育部会とで文部科学省と総務省に対する要請書を提出しました。
 この要請書は、第一に教育の格差改善を掲げた昨年度のフレームを踏襲したものです。昨年度は公教育無償が「突飛なこと」と驚かれましたが、今年は若干受け取るニュアンスが違った模様…。これが真の多忙化解消では?
 当日の参加者は自治労学校事務協議会と大都市共闘教育部会の役員、学事協各県幹事、本部から長沢次長、前田書記。
 なお、文科省には相原久美子参議院議員を窓口に要請行動を行いました。本部組織部次長でもあった相原さんには、文科省交渉にも参加していただき、切り出しとまとめをしていただきました。

【対応のまとめ】 新規窓が開きます  文科省と総務省

 

【特別報告】 新規窓が開きます  2009年度文教予算・補正予算の分析(設備・備品関係を軸に) 2009.7.24

 

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【2009年度 政府予算獲得行動 冬 2008.12.1】

 自治労学校事務協議会は12月1日、自治労の2009年度予算要求中央行動を実施しました。
 参加は自治労学校事務協議会役員と各県幹事、本部から長沢次長、合田次長と担当書記の前田さん・内山さん。さらに、財務省は峰崎直樹参議院議員、文科省が相原久美子参議院議員を窓口に要請行動を行いました。
 本部組織部次長でもあった相原さんには、文科省交渉にも参加していただき、切り出しとまとめをしていただきました。
【交渉記録】 新規窓が開きます   文部科学省    総務省    財務省   

■国庫は遠くに…いやいや忘れた頃に

 3省とも近い将来の政権交代が頭にあるのか、民主党という固有名詞が頻繁に出てきました。これは幹事会でも話題になりましたが、比較的経験の長い者でも初めてのことだそうです。中央省庁は政権交代を視野にかなりピリピリした状況のようです。
 さて、交渉の詳細は記録を待ちますが、義務教育国庫負担制度については、1/2→1/3とした3大臣合意からの変化はありません。

■政令市移管…

 国庫問題がらみで、政令市や中核市の任命権や給与費の移管について質すと、総務省は政令市の移管については何の疑義は無いとしながら、中核市にとっては県費負担制度が担保していた制度が崩壊するのでは無いかとの意見が述べられましたが、学事協から広域人事によって嫌々勤務年数を費やすより地域限定で働く方が良いのでは無いか等の反論が出ました。文科省は「県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会」が今年度中に結論を出し、それからとの答弁に終始。こちらから「7月のヒアリングで地方の各団体の足並みはそろったし、その各団体からは早期スケジュールの提示を…と声が出ているのだから、早急に結論を得て欲しい」としました。

 一方、県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会での議論は、文科省ホームページの、HOME>政策関連情報>審議会情報>調査協力者会議等>県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会に詳細が掲載されています。近年の中央省庁はホームページ掲載を利用して告知を終わらせているかの傾向が見られます。ぜひ、ご覧ください。

 最後の財務省、同じく給与費については3大臣合意から出るものは無く、新学習指導要領に基づいた膨大な新教材整備の予算確保に質すと未定との回答。交付税ではなく、直接地方へ教材費として配るイメージは義務教育費国庫負担制度から除外された教材費のようなものかと質すと、そうでは無い様子であり、膨大な額を確保するか否かも微妙な様子でした。

■次は横浜で会おう!

 幹事会では、総括のなかで省庁交渉のまとめの後、初めて試みた交渉前の事前会議の在り方について意見交換が行われました。さらに1月実施の学校事務集会in横浜、次回の学校事務集会の開催地などの連絡調整を行って散会しました。

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【2009年度 政府予算獲得行動 夏 2008.7.8】

 自治労学校事務協議会(学事協)は7月8日、自治労の2009年度政府予算要求中央行動として、総務省と文部科学省への要請行動を行いました。
 さらに、同日、幹事会を開催し、中央行動の総括の他、組織拡大や学校事務という職のアピールの方策、2009年1月末に横浜で開催予定の学校事務集会などについて協議しました。
 なお、各省要請では予算案が確定しない時期でもあることから、要請書に対する回答を受け、意見交換を行いました。今後、各省の概算要求が8月末に行われ、再度、冬の中央行動を実施します。
 要請書の内容は次の通りです。質疑等はPDFファイルをご覧ください。
2009年度政府予算編成に関する要請書

 貴職の地方分権に向けた地方教育行政改革とその裏づけとなる2009年度政府予算編成に対するご努力に敬意を表します。
 さて、社会的な格差の拡大は、児童生徒にも影響を多大に及ぼし、教育機会の均等を実質的に脅かしています。文部科学省の予算編成に当たり、教育における実質的な格差を改善する政策を積極的に行うように要請します。
 また、地方分権改革の進行の中で財務を中心に学校運営にかかわっている都道府県立及び区市町村立学校に勤務する学校事務職員や、社会教育行政に携わる地方公務員の重要性は広く認識されていますが、職務上の位置付けや定数・給与負担問題等、多くの問題があり抜本的な制度改善が必要です。
 豊かな社会の実現には、地域における学校教育と社会教育の自発的かつ創造性に富む多様な活動が大切です。これらを実現するための予算措置に向け、下記のとおり所要の対応を要請します。

【文部科学省あて】  文科省との質疑PDF  新規窓が開きます

1.教職員人件費について

(1) 義務教育費国庫負担制度の検討にあたっては、税財源の移行措置を伴わない廃止・縮減は行わないこと。

(2) 政令指定都市への負担先変更、中核市への人事権付与など地方分権に立脚した措置を推進すること。なお、東京23区への人事権付与に関しては都と全ての区との間における合意を前提として検討を行うこと。

2.学校事務職員の定数配置について

(1) 都道府県立学校事務職員の配置にあたっては、事務機能の低下により、学校間・地域間に格差が生じないよう、正規職員を配置し、定数基準は最低3名とすること。
 また、生徒数減少の激しい地域については定数算定基準を緩和すること。

(2) 義務制事務職員の定数改善計画では、子どもに及ぼす経済格差を解消するために、就学困難な児童生徒に係る加配を重点的に改善すること。

3.義務制への事務長制導入について

 義務制への事務長制導入は、検討すべき課題が多々あり、事前協議による合意形成を尊重し、強行導入を行わないこと。

4.生涯学習の充実等について

 公民館・博物館・図書館等の公的社会教育施設の管理運営方法については設置責任者である自治体の選択・判断によるものであり、また公的社会教育施設の建設・整備や、社会教育主事等の専門職配置など、公的社会教育施策の実施体制確保についても同様であるが、改正社会教育法等における附帯決議を踏まえ、自治体に対しその趣旨の十分な周知を図るとともに、適切な働きかけを行うこと。

5.学校給食並びに学校用務に関することについて

 教職員定数の拡大にあたって、行政改革法を理由とした給食調理員及び学校用務員への削減を行わないこと。併せて、自治体の主体的な判断による展開が可能となるよう、不要な指導・助言は行わないこと。
 また、学校運営にあたっては、給食調理員並びに学校用務員についても学校運営の基幹職員として位置づけること。

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【総務省あて】  総務省との質疑PDF  新規窓が開きます

1.義務教育における人件費等について

(1) 義務教育費国庫負担制度の検討にあたっては、税財源の移行措置を伴わない廃止・縮減は行わないこと。

(2) 政令指定都市への負担先変更、中核市への人事権付与など地方分権に立脚した措置を推進すること。なお、東京23区への人事権付与に関しては都と全ての区との間における合意を前提として検討を行うこと。

2.都道府県立学校の教職員人件費について

 都道府県立学校事務職員の配置にあたっては、事務機能の低下により、学校間・地域間に格差が生じないよう、正規職員を配置し、定数基準は最低3名とすること。
 また、生徒数減少の激しい地域については配慮した改善を行うこと。

3.生涯学習の充実等について

 公民館・博物館・図書館等の公的社会教育施設の管理運営方法については設置責任者である自治体の選択・判断によるものであり、また公的社会教育施設の建設・整備や、社会教育主事等の専門職配置など、公的社会教育施策の実施体制確保についても同様であるが、改正社会教育法等における附帯決議を踏まえ、自治体に対しその趣旨の十分な周知を図るとともに、適切な働きかけを行うこと。

4.学校給食並びに学校用務に関することについて

 教職員定数の拡大にあたって、行政改革法を理由とした給食調理員及び学校用務員の削減を行わないこと。併せて、自治体の主体的な判断による展開が可能となるよう、不要な指導・助言は行わないこと。

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【2008年度 政府予算獲得行動 冬 2007.11.27】

 自治労学校事務協議会は11月27日、自治労2008年度政府予算要求行動の一貫として、文部科学省と総務省との交渉を行いました。また、交渉の後、自治労本部で幹事会を開催し交渉の総括、各地の情勢報告、学校事務集会 in 岩手などについて協議しました。
 自治労学校事務協議会は11月27日(火)、中央行動と幹事会を行いました。
 中央行動は、財務、総務、文科省への要求書提出と交渉です。峰崎直樹参議院議員、仲野ひろこ衆議院議員のお世話になりました。
 詳細な記録は後日お知らせしますが、象徴的な一幕を紹介します。財務省から「国会審議の状況から、主計官なら要求書手交のみ」、実質予算を仕切ると言われる「主査ならば若干の議論ができるが、15分」と突然連絡がありました。
 しかし、なんと50分近くも話し合うことになり、仲介議員の秘書が約束時間を超えて気を揉むのを横目に、「手段である共同実施が目的化してしまい迷走している点」、「児童生徒に関わることが重要と文科省が言うなら、主幹や指導教諭などのプチ管理職の増員よりも一般教員を増員して少人数学級にする方が優先」、「少人数学級が多忙化を解消する」、「学級事務など不可欠な事務を切り取るならば、教育力の低下に繋がる」「20〜30人程度の学校組織に中間管理職は不要」、「仕事も仕事外も混ぜこぜの業務調査に基づく多忙議論の懸念」、「共同実施。学校に降りて来る仕事を減らしたいならば、国、都道府県、市区町村のあらゆる部署から来る似たような調査類についての整理が必要。例えば学校が必要データを入力し、ネットワークを通じて、国、都道府県、市区町村が勝手にデータを持って行けばいい」などでした。
 文部科学省では「新たな職と事務職員の関係」について再度議論しました。対応は初中局教育企画課で、回答は夏とまるで同じでした。
 「法は誰に対して指導助言するとは書いていない。今回の職の設置目的は、何も今までのものを急に変更するという話ではなく、主幹教諭を創って学校事務の方まで教員が指導管理をするということを制度設計として意図しているものではない。ただし、主幹教諭の権限については特に限定はしていないので、教育委員会なり校長の命令の出し方によっては、事務職員の事務に関することについても権限を持つということはあり得ると思う」と文部科学省が回答したため、自治労側から「では逆から聞くが教育委員会や校長の命令の出し方によっては、事務職員が主幹に指示することも可能なのだな」に対しては当然同意するしかなかったようです。
 これら交渉記録はPDFファイルにまとめましたので、別にご覧ください。
2007年11月27日 中央行動の記録PDF

 

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【文部科学省の平成20年度概算要求(定数関係)について】

 8月23日未明、解禁前にリークされたらしい文科省の来年度の概算要求が一斉に報道されました。
 それは、先に財務大臣と文科大臣の間で総人件費改革を巡る論議があり、引き続き削減について確保することがありながら、文科省は来年度に向けて21,000人の増員などの予算要求を行なうというものです。
 報道によると、事務職員485人という数字は加配残もあるにもかかわらず他の職種と比べても突出して多い数字となっています。

■いま教育に何が求められているでしょう
 小泉劇場による規制緩和、新自由主義経済の強引な手法にひずみが出て、格差社会が時代を示す言葉となってしまいました。
 安倍政権は小泉劇場の舞台に立ち、衆議院の数を頼りに強引な国会運営を行ない、教育基本法改正、憲法改正へと向かう国権的、中央集権的な国家システムをつくろうとした結果、先の参議院選挙で敗北しました。当面は格差是正による「人心の取り込み」が課題となるでしょう。
 当然、教育政策においても新自由主義的な責任を家庭や個人に負わせる政策は限界に達しています。
 ところが、文部科学省は「ゆとり教育」批判を受け入れて方向転換したばかりで、家庭教育重視や授業専念+管理体制強化の概算要求を行いました。
 私たちが知る通り、教育の課題も「格差」です。
 「教育の私事化」ではなく、就学前教育・補習授業対策教員の増員が政策の目玉にならなければなりません。学校事務に関していえば、就学援助事務加配、給食費問題(徴収の公費化も)、諸教材の公費化など下流に厚い政策でしょう。
 もちろんそれは対処療法的な「是正」ですから、長期的な政策としては「持続可能な地域社会」を作るための「人間の育成」です。こんな時代転換を促進するためにも「教員の多忙化」などという内輪受けする根拠ではなく、格差是正のための教育政策と定数・配置計画が私たちが取るべき姿勢ではないでしょうか。

特別報告 

 ■2007.8.31文科省2008概算要求を読む(定数関係の分析) 【全頁版

   目次 1.背景経緯 2.概算要求解説 3.全体像と今後 4.学校事務職員としての判断

 ■2007.9.4文科省から資料受領と若干の質疑 【全2頁

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【2008年度 政府予算獲得行動 夏 2007.8.2】

 自治労学校事務協議会は8月2日、自治労2008年度政府予算要求行動の一貫として、文部科学省と総務省との交渉を行いました。また、交渉の後、自治労本部で幹事会を開催し交渉の総括、各地の情勢報告、学校事務集会 in 岩手などについて協議しました。
 学校事務の中央への直接働きかける運動として、このように年に2度、自治労の政府予算獲得行動の一貫として中央行動を実施しています。
 ところが、今回は参院選が国会延長によって投票日が延期されたため、8月までずれ込んでしまいました。8月には、連合の「元気まつり」、自治労本部の大会、人事院勧告が行われるなど日程が錯綜なか実施しました。慌ただしいなかでしたが参院選での組織内候補だった相原久美子さんの当選直後の行動であり、この元自治労学校事務協議会の担当役員の当選は、真夏の諸行動の後押しをしてもらったような思いがしました。

 さて、交渉は自治労元書記長でもある高嶋良充参議院議員を窓口に行いました。
 文科省の交渉では、最も懸念された「新たな職」と事務職員の関係の回答について、文科省の説明では都道府県や市町村からの質問があった場合、重大な誤解をもたらす危険性があったため、厳しく指摘しました。
 国庫絡みで政令指定都市への給与費や中核市への人権委譲などでは、後退を感じる答弁に終始したので、これらの政策に対する真意を質しました。
 総務省は昨年末と変わらぬ対応で、国庫ショックが余程堪えたのでしょうか。「文科省が総務省の意向も云々と言っていた…」と水を向けると目覚めたような表情が印象的でした。
 先日、技能労務職員の賃金調査が発表され、いろいろな波紋が広がりましたが、自治労側から「単に給料が低ければ良いと思っているわけではないと思うが…」と質すと、「報道で出されていた官民比較を単純になくせば良い思っているわけではない」と乗り出して説明した場面もありました。
 これら交渉記録はPDFファイルにまとめましたので、別にご覧ください。

2007年8月2日 中央行動の記録PDF

 

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【2007年度 政府予算獲得行動 冬 2006.12.5】

 自治労と自治労学校事務協議会は2006年12月5日(火)、自治労の2007年度政府予算要求行動として総務、財務、文部科学省との3省交渉を行い、終了後幹事会を実施しました。

 幹事会では、山口市で開催する学校事務集会について詳細をまとめ、集会の骨子となる課題を設定しました。
 課題は、共同実施。懸念されるのは、真の共同実施の意義が全国的に理解されないまま、共同実施という手段が目的化しつつある実態があります。「共同実施をする」のではなく、「共同実施で何をするのか」なのです。
 大阪の4事務センターが集約されることなどを受け、単なる合理化とならない在り方が大切です。共同実施についてのレポートを各県単位でまとめて集会の課題とする予定です。

 さて、3省交渉について、来年度の給与費等の大枠は、昨年度の国庫三分の一決着、首相交代などから改編は行わない方向であることが分かりました。
 中央交渉には、峰崎直樹参議院議員の他、仲野博子衆議院議員が文部科学省へ同行していただきました。本部からは副委員長、組織局次長、担当書記2名と全国から集まった仲間で省庁交渉を実施しました。財務省からは中川主計官(文部科学担当)、文部科学省からは尾崎財務課長が応対し、手交した要請書をもとに質疑を中心としたやり取りを行いました。一方、調整室長などもそろえたこともある総務省は国庫三分の一決着に気落ちしたのか若手係長の対応で型どおりの回答に留まる状況でした。
 交渉では、財務省、中川主計官は私見であると前置きし、「教育のシステムはそれ程悪いわけではない。教職員も優秀だと思う。悪いのは、学校現場、市区町村、都道府県、文部科学省など各レベルのトップらのリーダーシップの欠如が原因しているのではないか」と語りました。
 文部科学省、尾崎財務課長は「政令市移管の件で腰が退けていると現況を批判されても仕方がないが、話が立ち消えている訳では全く無い。国庫が決着したからには整理する時期に来ている。中核市の課題も新たに出てきているが、条件が整っているのは政令市であり、先に課題も出ているので、政令市が先になるだろう」「教育の課題解決にはシステムそのものではなく、その運用の問題ではないかという意見には同意できる部分がある」などと語りました。

2006年12月5日 中央交渉の記録PDF

 

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【2006年度 政府予算獲得行動 冬 2005.11.28〜29】

【文科省】

1.義務教育費国庫負担について
(1) 義務教育費国庫負担制度の検討にあたっては、税財源等の移譲措置を伴わない単なる地方転嫁につながる廃止・縮減を行わないこと。また、教職員制度全体の検討を前提として、学校事務職員の人件費の一般財源化を先行しないこと。

文科省》
 税源移譲や一般財源化にはあくまで反対の立場。中教審答申でも現行の国庫負担制度の維持がうたわれている。実際に税源移譲した場合でも、不足する部分は地方交付税で措置すると総務省は言っているが、三位一体の改革そのものが地方交付税改革でもあり、財源保障機能を縮小するというものであって、必要な財源が措置される保障はない。仮に義務教育費のみにおいてはしっかりと財源保障するとしても、その周辺の経費が切り詰められれば、義務教育費そのものにも影響が出かねない。学校事務職員のみを外すという概念はまったくない。

自治労》
 8500億円の代替案として8400億の交付税分を税源移譲という案も新聞報道で目にするが、文科省としてはどう考えているか。

文科省》
 自民党案として出されたもの。全額交付税に依存するのではなく自治体自らの税収入でやってはどうかということだが、基本的には賛成。ただ、自治体格差を容認するわけではなく、不足分は交付税で措置されることになるだろう。地方税収を確保した上で、地方分権を進めるということでは、三位一体の概念にも合致している。ただし、財源確保される仕組みが確保されないということであれば反対。

自治労》
 報道によると8500億円の削減は文科省としては容認したとも受け取れるが。

文科省》
 容認したわけではない。ただし、他に賄いきれるものもないことから、「天からの声でどうしても出せという話になった時は」という話で、今は応じるつもりはまったくない。昨年の4250億円も大臣のまったく計り知らないところで決まった話なので、そのようになったらというだけのこと。

(2) 政令指定都市における教職員の義務教育費国庫負担制度のあり方を見直すにあたって、政令市へ負担転嫁せず、財源等の移譲措置を行うこと。

文科省》
 中教審答申にもあるが、教職員の人事権については市区町村に移譲する方向で検討するということが盛り込まれているし、その場合の財源は安定的で確実的であることを前提としたうえで、人事権者と給与負担者が出来る限り一致することが望ましく、人事権移譲に伴う給与負担のあり方も適切に見直す必要があるとされている。
 人事も給与も市町村に降ろすというのが究極の姿。ひとまず、政令指定都市が対象となるが、当該指定都市のある都道府県としっかり協議をしてもらったうえで、関係者の賛同が得られれば着手することになるだろう。
 しかし、現在反対している県もあり、また、事務事業の移管作業などもひつようであるから、実施されるにはまだ数年はかかるのではないか。

自治労》
 都道府県と政令市の話がつけばということだが、その協議に関して文科省はどのように関与するのか。

文科省》
 強引に反対しているところに、無理やり「直ちにやれ」と言うのは難しい話なので、そこはきちんと解決されることを踏まえて、段階的に進めて行きたい。

2. 学校事務職員の処遇改善
  時間外勤務手当の地方交付税算定にあたっては、他の一般職同様7%で算定すること。また、公立学校の管理委託・公設民営化は行わないこと。

文科省》
 公立学校の管理委託については、公立学校教育というものが設置者である地方公共団体の公の意思に基づいて実施されるものであり、入退学の許可や卒業の認定が公権力の行使と日常上の教育指導が一体となって行われるものであることから、公立学校の管理運営を包括的に委託契約するということは困難であり、考えていない。
 公設民営化については、構造改革特区のなかで公私協力学校が制度化された。これは、地方公共団体の判断と地域の状況に応じて地方公共団体と民間の協力により新たな学校法人を設立するという制度。
 ただ、これをもって今ある公立学校を公私協力学校に置き換えようという制度ではまったくないし、そういうことを想定してもいない。
 またこの制度は幼稚園と高等学校を対象としたものであって、義務教育段階の小中学校を対象としているものではない。さらに、これは特区に中で行われるもの。

3. 生涯学習の充実等
(1) 公民館・博物館・図書館等の公的社会教育施設の管理運営方法については、設置責任者である自治体の選択・判断によるものとし、指定管理者制度導入等について国の強制・介入を行わないこと。

文科省》
 あくまで地方自治体の判断によって導入するかどうかを決める制度であって、国や文科省が選択を求めるような立場にはない。

(2) 公的社会教育施設の建設・整備や、社会教育主事等の専門職員配置など、公的社会教育施策の実施体制確保については、自治体の主体的な判断による地域教育施策の展開が可能となるよう、国の強制・介入を行わないこと。

文科省》
 社会教育施設への整備については平成9年度をもって廃止しており、現在は一般財源で対応されており、整備についての判断は地方自治体の判断で行われていると認識している。
 社会教育主事については社会教育を推進していく上で重要な役割を果たす専門職であり、すべての都道府県、市町村において必置と考えているが、当分の間、人口一万人未満では設置が猶予されているなど、地域の実情には配慮されている。また、平成11年地方分権推進一括法で規制緩和が進められてきているので、各自治体で地域の実情に応じて進めて欲しい。

(3) 学校教育と社会教育の連携や一体性の重視、市民の学習権の保障の観点から、学校教育と社会教育の分離施策について、推進する姿勢をとらないこと。

文科省》
 自治体の状況によっては首長部局に一元化されるなど動きも見られるが、学校教育と社会教育互いに連携を図り一体として進められるべきものというのが文科省の立場であり、中教審答申にもうたわれている。

(4) 児童・生徒や開催地自治体に過大な負担を強いる国民体育大会については廃止し、レクリエーションを含めた市民スポーツ、生涯スポーツ振興の一環として、そのあり方を抜本的に見直すこと。
 当面の開催にあたっては、在日外国人の参加を全面的に認めること。

文科省》
 運営を中心的に行っている財)日本体育協会では、平成15年3月に国体改革2003を策定し、これを基に来年大会からは秋季大会の一本化、3年後の63回大会からは大会規模の適正化として参加者数の15%削減など、大会の簡素効率化に向けた改革を進めているところである。また、文科省としてはこれとは別に要望の趣旨のとおり、昭和63年度から全国スポーツレクレーション祭を開催しているところである。
 外国人の参加については、学校教育法第1条に定める学校に在籍し、または卒業したものについては従前より参加を認めているところであり、平成18年開催の大会からは出入国管理及び難民認定法に定める在留資格のうち、永住者についても参加を認めることとしている。

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【総務省】

1. 教育費の地方財源確保と負担転嫁反対
(1) 義務教育費国庫負担制度の検討にあたっては、税財源等の移譲措置を伴わない単なる地方への負担転嫁につながる廃止・縮減を行わないこと。また、教職員制度全体の検討を前提として、学校事務職員の人件費の一般財源化を先行しないこと。

総務省》
 地方への負担転嫁につながるようなものは断固として認められない。税源移譲の際は確実に財源措置がされるよう進めたい。
 現時点ではまだ何も決まっていない。新聞報道はいろいろなされているが、今の時点でどういう方向で調整が進められているというものはない。昨年度の決着が暫定措置で終わる可能性はないとは言えないが、あくまで8500億円を地方に移譲するということを前提としたうえで、どういう手法が考えられるのかというところが焦点になっているというのが現状。

自治労》
 10/18の自民党の文教制度調査会から代替案として、高校の地方交付税分を地方へ移管という話が出たことについて、総務省としてはどのように考えているのか

総務省》
 今の三位一体の改革はあくまで補助金改革であるので単に税源移譲すれば良いという話ではない。
 交付税から税に振り替えても一般財源の枠の中の振替であって、国の財源が減るわけではなく、三位一体の改革の趣旨からは若干ずれるのではないか。現実の問題として税収だけではやれないだろう。交付税から切り離したら不交付団体にその分が流れていってしまうという懸念もある。基本的には反対である。

 (2) 政令指定都市における教職員の義務教育費国庫負担制度のあり方を見直すにあたって、政令市へ負担転嫁せず、財源等の移譲措置を行うこと。

総務省》
 まだ現状の国庫負担の決着がついていない状況では、次のステップという段階。ただ、当然必要な財源措置は求めていく。今後慎重に調整を進めていく。

自治労》
 政令市移管について、都道府県と政令市の話がつけばということだが、その過程に関して総務省はどのようなスタンスをとるのか。

総務省》
 検討の主たる所管となるのは文科省。ただ、現在は国庫負担本体の話に結論が出るまでは動かないと言われており、具体の協議の場を設けることも出来ていない状況。今回、決着をみたら議論が動き出すと思うが、基本的には教育のあり方の問題として中教審を中心に議論が進められるとは思うが、全体の議論の過程には地方自治や制度のあり方という立場から参加していきたいと考えているし、積極的に関係者との調整にも入って行きたいと考えている。

2. 学校事務職員の処遇改善
 (1) 時間外勤務手当の地方交付税算定にあたっては、他の一般職同様7%で算定すること

総務省》
 義務教育費国庫負担の積算が現在6%となっており、それに基づいて措置している。

3. 生涯学習の充実等
(1) 公民館・博物館・図書館等の公的社会教育施設の管理運営方法については、設置責任者である自治体の選択・判断によるものとし、指定管理者制度導入等について国の強制・介入を行わないこと。

総務省》
 指定管理者制度の導入あるいは具体的な実施方法については、地方自治団体の主体的な判断により決定できる旨が法律上にも明確に規定されており、施設の目的に沿ってもっとも効率的かつ効果的に運営できる方法は各自治体の判断よって行うべきものと考える。なお、こちらに相談があった場合には前述の趣旨に基づき適切に対処していく。

自治労》
 既存の運営財団等が指定管理者とならなかった場合の職員の雇用の問題などが各自治体で大きな課題となっているが、総務省として何か見解はあるか。設立した自治体で一定程度責任を負うべきという考え方に立つと理解してよいか。

総務省》
 設立者である各自治体の内部で適切に対処していただくしかない。責任というとどこまでの意味合いで言うのか分からないが、財団を設立した趣旨や指定管理者に委託した趣旨に鑑みて、それぞれの自治体で判断してもらうとしか言いようがない。

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【財務省】

1. 教育費の地方一般財源確保と負担転嫁反対
(1) 義務教育費国庫負担制度の検討にあたっては、税財源等の移譲措置を伴わない単なる地方への転嫁につながる廃止・縮減を行わないこと。また、教職員制度全体の検討を前提として、学校事務職員の人件費の一般財源化を先行しないこと。

財務省》
 今月中に結論が出されることとなっているが、現時点では何も申し上げる内容はない。事務職員だけを取り出してという話は、今のところ出ていないので、そういう話にはならないだろう。

自治労》
 自民党の文教制度調査会から代替案として、高校の地方交付税分を地方へ移管という話が出ていることについて、財務省としてはどのように考えているのか。

財務省》
 どの一般財源化もそうだが、地方に任せるべきところは地方に任せる、後は地方の責任でやっていただくというのが財務省の考え方。ただしあの自民党の案は今回の三位一体の改革の考え方とは少し違う。

自治労》
 教員給与の見直しの声も出ているが、財務省としては具体的な話としてそういう方向で進んでいるのか。

財務省》
 今のところはまだ問題提起として出ている話。人材確保が困難な時代と今の状況は違う。公務員全体の給与水準を下げるという課題がある中で、教員給与をこのままで維持すべきかどうか。人事評価の中で配分してもいいのではないかなど、いろいろな議論があるが、まだ具体的なところまで進んではいない。今後は文科省とも議論を進めていく。

自治労》
 財務省としては国庫が1/3になるとか小学校だけになるとか、その行方については問わないということか。

財務省》
 教育のあり方の問題として、地方と文科省と刷り合う所で落ち着けばよい。財務省としては特に意見を持たない。

2. 学校事務職員の処遇改善
(1) 都道府県立学校の事務職員定数を最低3名とするとともに、生徒数減少の激しい地域に配慮した改善を行うこと。

財務省》
 定数改善計画は文科省から出ているが、政府は公務員全般の人員削減の方針を打ち出している中で、しかも、児童生徒数が減少している教職員だけ定数を増やすということが出来る状況ではないというのが財務省としての認識。

自治労》
 県立高校では最低限3名程度はいないと高校としての機能が果たせない状況を認識して欲しい。

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【2006年度 政府予算獲得行動 夏 2005.7.12】

【財務省】

1.義務教育費国庫負担について

財務省》
 単なる金の問題だけではなく、義務教育国庫負担金が果たしている役割を考えた上での教育論が大切。重要なのは、義務教育をいかに良くしていくのか、投入資金の多寡で教育が良くなったり悪くなるという問題ではないのではないか。
 現在の制度の中で非効率な部分があるのであれば、まずそこの問題をきちんと正していくことが必要。現在の財政状況を考えると、財政負担が少なくとも効果が上がる方策を検討するに越したことはない。
 そういう意味から、現在、中教審での議論を注目している。

2.学校事務職員の処遇について

財務省》
 制度全体の検討の中で考えるべきもの。
 現在の制度の中で問題あると思っている制度があり、例えば人確法もそのひとつ。過去の状況と現在の状況は異なるなかで、優秀な人材を教育の現場に確保するということに果たして、全国一律の制度である必要があるのかどうか、やや柔軟性に欠ける制度ではないかと考えている。一定の目的を達成するにあたって、ただ資金を大量に投資すればよいというのは短絡的で限られた資金をより有効に使う方法を追求すべき。そうした中で、現在、現場現場で様々な状況がある中で、全国一律の制度というのは我々からするとやや奇異に映る。

自治労》
 中教審で議論されている義務教育費国庫負担制度とはまた別に人確法を検討課題としているのか。

財務省》
 その問題は中教審の議論のかなり以前から問題提起している。我々としては、国にあるいろいろな制度に対して常に、費用対効果を考えている。そう意味で人確法もその一つ。三位一体の改革より我々はもう少し広い問題意識を常に持っている。

自治労》
 これまでの話からするとできるだけ設置者である市町村が判断できることが望ましいということか。

財務省》
 一般論として、硬直的な制度というのはあまり良くない。地域地域で必要な状況が違うはず。義務教育費国庫負担制度というのは画一性が極めて強い制度。文科省が導入した総額裁量制度は民間給与の低いところと高いところなど県によって差異があるのに教職員給与は全国一律で良いのかという部分で我々と散々議論して彼らが打ち出したもの。制度の柔軟性を高めるという意味では一歩前進と考えている。しかしながら設置者である市町村で何か柔軟性を発揮できる制度となっているのかと言うとそうではないのではないか。

自治労》
 国庫負担金の交付先や人事権を政令市や中核市へ移行するという議論についてはどう考えているのか。義務教育国庫負担制度の有無に関わらず、身近な市町村に権限を拡大していくべきと考えているのか。

財務省》
 方向性としては、より現場に近いところに責任と権限があるべきであり、方向性としては我々の考えていることと一致している。ただ、我々としては、今の制度に問題があるのにお金を配っている人が変わるだけでは意味がない。現在三位一体の改革の舞台で地方分権という観点で様々な議論がされているが我々としてはそれだけではなく、限られた資金の中でより効果が上がるよう、様々な制度の問題を見直す必要だと考えている。
 例えば総額裁量性は一歩前進ではあるが、給与面では人確法があるため効果が限定的。総額裁量性の導入に関して、もし人確法がなければ、より各県ごとに様々な判断ができるようになるはず。
 義務教育という面で、国として全体の水準の維持向上は重要だが、その目的に至る工夫や方法は画一ではないはず。現場現場の責任と権限で様々な方策が取れた方が、活気が出てより良い教育につながるのではないか。

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【総務省】

1.義務教育費国庫負担制度について

総務省》
 中教審の議論では、事務職員の先行実施については今のところ議論になっていない。政令指定都市や中核市、あるいは将来的には市町村に権限委譲をという話が出ているが、我々としては、現在同様の考え方で負担者のところに財源措置を行うという考え方に変わりはない。

自治労》
 中教審が秋に予定している答申には必ずしも縛られないと考えているのか

総務省》
 中教審は文科大臣の諮問機関であって、文科省としては拘束されることになろうが、政府としては総理の国会答弁にもあるとおり、国と地方の協議の場を経て政府として判断していくとされている。

自治労》
 中教審には地方の代表も入っているが、答申は地方の意見を交えた答申と捉えてよいのか。また、地方六団体としては委員を出している以上、答申には一定程度拘束をされるのではないか。

総務省》
 どういう形でまとまるかによるが、地方側の委員がまったく自分の意見が反映されなかったものに対して拘束されるかというと、いろいろな見方があるのではないか。
 中教審自体もフリーハンドで議論ができるようになっているわけではなく、政府与党合意で費用負担について地方案を活かす方策を検討しなければならないことになっている。そこをまったく無視すると言うことは設置の目的から言ってできないのではないか。

自治労》
 国庫負担のあるなしにかかわらず、政令市や中核市に給与負担を移していくということについては総務省としては賛成ということか。

総務省》
 費用負担はあくまで権限とセットということだ。権限が移るのであれば当然費用負担についてもそうなるだろう。

自治労》
 地方六団体ではどこまで権限を降ろしていくかということについては、まだ統一した考え方が出ていないのではないか。

総務省》
 地方六団体としては、市町村にという方向性は出ている。それが一般市町村までやるのか、中核市程度までで留めるのかということについては、結論は出ていないと思う。ご意見を中教審の議論で聞く限りでは。

自治労》
 総務省としては一般財源化された後、いわゆる分配方法としては、文科省がやっている全国一律のものとは別のものを考えていると思うが、そのへんはどのようなことを考えているのか。

総務省》
 まず、配るというのがちょっと違う。今回はあくまで税源委譲。国庫負担の代わりに地方税で賄うということ。基本的に自分のところで獲って来るという話になる。そのうえでアンバランスを交付税で調整しようということだけで、中教審でも全部交付税で措置される、だから心配だと思っている方もいるようだが、それは違う。税源委譲ということは、交付税は機能さえあればその総額は関係ない話だ。

自治労》
 総務省としては、どこまで降ろすべきだと考えているのか。我々からすると、都道府県に財源が下りてきて都道府県がいわゆるミニ文科省となるのでは、あまり意味がないと考えるが。

総務省》
 義務教育費だけで言えば、試算とかやっているのはまだ都道府県レベルだ。義務教育費が一般財源化されても、標準法が残る限り算定としては現在と同じやり方でやることになるだろう。
 法律の網がかかっているということで裁量度は少ない世界だ。ただ、一般的に地方団体が一般財源化を求めるときには、裁量度の拡大を求めるものだが、今回地方六団体はそれを今回あえて求めていない。それは、裁量度が拡大すると教育関係者が非常に不安がるからだ。

自治労》
 過去に政令市への移管についてはあまり前向きではないような回答があったが、現在はどうなのか。

総務省》
 こと政令市に関しては、権限自体はすでに持っているわけで、あとは財源の話だけで、そのへんは議論が中核市や一般市とは異なる。本省として何か制度設計をしているかというとそうではないということだ。

自治労》
 失礼を承知で言えば、どうも総務省としては地方自治体というと都道府県までで、市町村のことはあまり興味がないという印象を持つが。特に義務教育に関しては設置者である市町村に何も権限がないので、どうせ改革をやるのであれば、できるだけ現場に近いところに権限を与えていくという視点で大胆に議論していくべきではないか。

総務省》
 第27次の地政調の答申でも基礎自治体にもっと力をつけなければならないということを明確に言っており、そうした下でいろいろな政策を展開している。基礎自治体については十分意識しながらやっている。
 学校の設置者と費用負担について財政調整制度が不十分な時代を経て現在の形になっているが、現在は過去とは異なる状況にあるので、本来的な姿に戻すべきという考え方は間違ってはいないと思う。

2.時間外勤務手当について

総務省》
 国庫負担の積算が現在6%となっており、それを超えて地方交付税のみ7%で見るというのは困難である。

自治労》
 県立学校の事務職員は概ね一般行政職員と同じ給与体系となっており、交流もあるなかで、なぜ、学校現場だけ1%少ないのか。

総務省》
 実態はどうなのか。

自治労》
 数字的には予算の範囲でしか出てこないのがどこの官庁でも一般的ではないのか。

総務省》
 交付税の積算はあくまで積算。実際どれだけの予算を組むのかは地方公共団体で判断だろう。あとは実態がどうなのかということになるのではないか。

3.指定管理者制度について

総務省》
 公民館博物館等に指定管理者制度を導入するか、あるいは直営で行うか平成18年の9月までに地方公共団体において選択をしていただくということになっている。総務省としては強制介入する考えはまったくない。あくまでも地方公共団体の自主的な判断による。また、施設によっては設置の根拠法と所管の省庁があるため、そこの考え方もあるのではないかと思っている。

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【文科省】

1.義務教育国庫負担制度について

文科省》
 従来の考え方にまったく変わりがない。個人住民税のフラット税率により措置した場合には全国で約40県が税収不足になるということであり、その分は地方交付税で措置するという総務省の主張であるが、三位一体の改革はそもそも地方交付税そのものの見直しも考えられており、よしんば教育費がきちんと充当されるとしても他の経費が削られた場合はそこに充当されかねないということや、ひいては教育水準の低下につながりかねないと考えられるので、私どもとしては税財源の委譲措置や一般財源化ということはまったく考えていない。

自治労》
 中教審答申と今後の見通しについて

文科省》
 皆目見当が付かない。11月までには中教審の答申が出て、それを踏まえて政府としての方針を決定していくというステップになると思うが、議論がどちらにいくのかはまださっぱり分からない。

自治労》
 議論は定数法がまもられていることを前提にされているが、東京都の小中学校では必ずしも守られていないと認識している。実態をどのように把握し、またどのような見解をもっているか。

文科省》
 東京都の配置は今は把握していないが、戻れば分かると思う。全国的にみると事務職員については定数以上の配置がされていると認識しているが、そうではない実態があるのであれば教えて欲しい。また、こちらでも状況把握に努めてみたい。

2.政令市への移管について

文科省》
 任命権者と給与負担者の一致などについて指定都市からも要望を受けている。中教審での議論で移管できるとなれば、移管するし、その場合の費用負担は国庫負担を前提として、国と政令市で1/2づつ負担という方策もあると思うが、いずれにしてもきちんとした財源措置がなされるべきと考えている。

自治労》
 より現場に近いところに権限を下ろすということについて具体的な問題点などはでているのか

文科省》
 中教審の中ではまだ具体には進んでいない。下ろした場合の懸念としては、一つは人事の面があると思う。
 例えば、政令指定都市や中核市で採用を行うとすれば、人気が集中してその周辺の山間地についてはほとんど人気がなくなってしまうのではないか。そうなると全国的な教育水準や機会均等が保証されるのかという面が懸念される。そうした部分で人事配置でどう県が絡んでいくのか、どのように広域的に考えていくのかが検討材料だと考えている。
 さらに給与負担を伴うとなるとそのための人が必要で公務員の増加の問題だとか、給与の電算処理準備などの作業がかなり大変だと思うので、移行するにはそれなりの経過措置は必要ではないか。

自治労》
 大きな事務作業が必要となるので、早めに準備を呼びかけるというようなつもりはないのか。

文科省》
 ある。方向性が決まった段階で、どの程度の事務作業が予想されるとか給与人事に関する人員はどの程度必要なのかなどについても、このように移行してくださいとお願いすることになると思う。

3.時間外勤務手当について

文科省》
 私どもは地方交付税の措置という点については何ら権限を持っていない。できるとしても総務省に対する要望のみだ。ただし、こちらとしては時間外の実態が7%を越えているという状況かということは把握しかねている。
 6〜7年前に調査したところでは、まだ6%にも満たないという状況だったことから、その当時7%という措置はされなかった。現在、7%以上の実態があるとすればデータをいただきたい。もし、そういう実態がないのであれば、一般財源で財源措置されても他の経費に使われかねないので、データの裏づけが欲しい。

4.公設民営化について

文科省》
 公立学校の管理委託については、公立学校教育というものが設置者である地方公共団体の公の意思に基づいて実施されるものであり、入退学の許可や卒業の認定が公権力の行使と日常上の教育指導が一体となって行われるものであることから、公立学校の管理運営を包括的に委託契約するということは困難であり、考えていない。
 公設民営化については、構造改革特区のなかで公私協力学校が制度化された。これは、地方公共団体の判断と地域の状況に応じて地方公共団体と民間の協力により新たな学校法人を設立するという制度。
 ただ、これをもって今ある公立学校を公私協力学校に置き換えようという制度ではまったくないし、そういうことを想定してもいない。またこの制度は幼稚園と高等学校を対象としたものであって、義務教育段階の小中学校を対象としているものではない。さらに、これは特区に中で行われるもの。

5.公的社会教育施設への指定管理者制度導入と施策への国の強制介入について

文科省》
 あくまで地方自治体の判断によって導入するかどうかを決める制度であって、国や文科省が選択を求めるような立場にはない。
 社会教育施設への整備については平成9年をもって廃止しており、現在は一般財源で対応されており、整備についての判断は地方自治体の判断で行われている。
 社会教育主事についてもすべての都道府県や市町村に必置規定はあるが、当分の間、人口一万人未満では置かない事ができるなど、地域の実情には配慮されている。また、人数についても基準はなく、最低一人配置すればよいことになっており、地域の実情に応じて適正に配置されることが求められている。文部科学省としては、そうした地域の実情に合わせて適切な社会教育が推進されれば幸いだと考えている。

自治労》
 生涯学習社会の中で、ますます重要な役割を果たすべき公的社会教育施設の所管が教育委員会から首長部局へ移っている実態について、文科省としてどのような見解をもっているのか。

文科省》
 地域地域の実情がある。教育委員会でやるのが良いのか、首長部局でやるのが良いのかなど、地方公共団体それぞれの適正な判断があると思う。

6.国体のあり方の見直しと外国人の参加について

文科省》
 運営を中心的に行っている日本体育協会では、平成15年に国体改革案を策定し、これを基に改革を進めているところである。文科省としてはこれとは別に昭和63年度から全国スポーツレクレーション祭を開催しているところである。
 外国人の参加については、学校教育法第1条に定める学校に在籍し、または卒業したものについては参加を認めているところであり、平成18年開催の大会からは出入国管理及び難民認定法に定める在留資格のうち、永住者についても参加を認めることとしている。

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【2005年度 政府予算獲得行動 冬 2004.12.1】

【文科省】13:00〜13:30

1.(1)国庫負担制度の検討にあたって地方転嫁にあたる廃止・縮減を行わないことと、事務職員の一般財源化を先行しないことについて

文科省》
 義務教育国庫負担制度は国として一定の水準確保に不可欠な制度であり、現在の制度で国の責任を果たしていると考えている。
 11/26の政府与党合意でも、引き続き義務教育制度については根幹を維持し、費用負担を含めて17年度秋までの中教審での議論を得たうえで検討するということになっており、今回17年度の予算措置としては4250億円という数字を暫定的に負担金の方から減じて、税源委譲予定特例交付金で措置するということになっている。
 現在、どのように4250億を振り替えるかという細かいところについては、関係各省庁と話を詰めている段階であり、我々としては、特定の費目や例えば学校事務職員というような職種で切り分けるという発想は一切なく、そういう考えに立って各省庁とやって行きたいと思っている。当然、負担金から外れた4250億円については、税源委譲予定特例交付金で、しかも同じ指標を使って措置するということで、必要な予算は確保されるものと理解している。
 学校事務職員いついてはこれまでどおり基幹職員と認識しており、暫定的とは言え事務職員に絞ってその費目を税源委譲予定特例交付金に回すという考え方は文科省としてはまったく持っていない。

1.(2)政令市への国庫負担制度の見直しについても必要な財源移譲措置を行うことについて

文科省》
 教職員給与負担と学級編成や教員定数などは政令市へ委譲するということについては、中教審の中間報告において、概ね税源もセットで移譲されるべきだという方向性が出ている。
 文科省としても当然そういう方向性は持っているが、三位一体の改革の中で費用負担を含めて国と地方のあり方ということも17年度の秋までに中教審で検討することになっているので、具体的な行動ということになるとそれを待ってからということになるだろう。

2.時間外勤務手当の算定を7%とすることや公立学校の公設民営等をおこなわないことについて

文科省》
 交付税の積算は実態に合わせた6%となっており、今後その実態が変化すれば、負担金についても合わせて変化させていくということになる。ただ、現在の負担金の決算額を見ても、概ね6%を下回っているのが実情で、それに応じて支出している。
 公立学校の管理委託や公設民営については、昨年の5月から今年の3月までの間、中教審において教育論の観点から慎重に検討してきた。当初は民間活力の導入と言うことで検討の余地もあるのではないかということだったが、やはり法制上の課題としてクリアできないという結論に至った。つまり、民営された学校はもはや公立学校とは言えないと考えている。

3.(1)社会教育施設の運営管理については自治体の判断によるものとし、国の強制・介入を行わないことについて

文科省》
 指定管理者制度については、地方自治法上、そのようなことも可能として用意されたまでであって、それをどの施設にどのように導入するかについてはあくまで地方自治体の自主的な判断によるものと考えている。従って、国として強制するというような考えはない。

3.(2)公的社会教育施策の実施体制確保について国の強制・介入を行わないことについて

文科省》
 こちらも同じように、自治体が地域の実情等を考慮して主体的な判断で行うべきものであり国として、介入するとか強制するということは行わない。

3.(3)国体のあり方の見直しと当面の開催にあたって在日外国人の参加を認めることについて

文科省》
 国民体育大会についてはそのあり方と意義について、現在改革を進めているところであり、その中で在日外国人の参加等についても検討している。
 これまで国民体育大会は、スポーツ振興を目的として開催してきたが、スポーツの普及と振興を目的として開催されてきたが,今回の国体改革の中でも世界レベルの競技者の発掘や育成の場として位置づけ大会の充実・活性化を図ると共にわが国唯一の総合スポーツ大会として構築していこうということに重点をシフトしている。
 一方で生涯スポーツの振興という面では,全国スポーツレクリェーション祭を実施し,国体とその目的を分けている。

 

質疑応答

自治労》
 3点に渡って聞きたい。国庫負担に係る17年度予算についての「暫定的」の意味を確認したい。ゼロに戻る可能性はあると考えているのか。また、税源移譲予定特例交付金の性格はどういうものか。最後に政令指定都市に関する見直しについては、中教審答申が出るまでは動きはないということか。

文科省》
 暫定ということであり、当然ゼロに戻る可能性はあると我々は考えている。暫定的というのはあくまで暫定的にという意味。税源移譲予定特例交付金は、国庫負担すべき金額から4250億円を減じてそれを交付金という形に振り替えるものであり、今後総務省と細部を詰めて行くが、教職員給与費として所要額は確保されるものと押さえている。
 政令市については、既に中間報告にも出されていることであり、17年度秋を目指した答申では全体的な制度のあり方について出される中で何らかの方針が盛り込まれるものと考えており、その議論を待って関係省庁とのやり取りなど実際の動きを始めることになるだろう。

自治労》
 公立学校の管理委託や公設民営化については教育特区申請として受け付けるのかどうか。

文科省》
 民営化された学校は法制度上、公立学校とすることはできないという結論に至った。例えば公立学校の卒業・入学は公権力の行使にあたると考えられ、公権力の行使を民間に委託することはできない。

自治労》
 公的社会教育施設では自治体が専門的職員を配置しその任命を行うこととなっているが、公設民営では、それが不要ということになるのか。また、国として社会教育をどうして行くつもりなのか聞きたい。

文科省》
 指定管理者制度というのは、公的施設の運営に対する一般論としてそういうことも可能とするよう地方自治法に設けたものであり、あくまで自治体の判断によるもの。社会教育施設の運営をどうするかについては地域の実情等に応じて自治体が主体的に判断するべきもので、仮に民間に委託した場合は、条例改正などでその施設に合っては定数等のしばりを外すということになるだろう。
 民営化か直営でやるかどうかは自治体の判断で行うべきであり、国が民営化を推奨しているわけでは決してない。

自治労》
 しかしながら、実態としてはそう動いていないわけで、財政論から委託が進みがちであることについてそのままで良いのかという点についても認識を持っていただきたいことを付け加えておきたい。

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【財務省】13:20〜13:50

1.教育費の地方一般財源確保と負担転嫁反対について

財務省》
 義務教育国庫負担制度の一般財源化の話ですが、平成15年度の三大臣合意があり、一般財源化については平成18年度末までに検討を行うという合意があります。それを受けて、義務教育国庫負担制度については一般財源化の話の中で、定額化交付金化の問題ですとか、退職手当や児童手当といった問題が併せて検討されまして、定額化や交付金化の変更の話につきましては、文部科学省から総額裁量性の話が出されまして、これまでは全国一律教職員の給与水準については、それぞれごとに決まっていました。
 それから配置についても文部科学省の案通りに進められていました。要は地方の自由度がほとんど無い制度を、一定の積算をして交付金化してそれを使って多少給与を下げるとか、給与を下げると先生をたくさん雇える訳で、それが県ごとの自由な制度を作ってくださいという制度がこの制度です。我々としては総額裁量性はある程度評価はしています。今までの制度はあまりにも全国一律で、現場の創意工夫を活かせない制度ではなかったかということを財務省として思っています。
 なぜそう思ったかというと、義務教育費国庫負担金総額を児童生徒数で比較してみると、平成元年と平成10年の十年間で2倍に増えている。子ども一人あたりにかかる義務教育費国庫負担金というものが2倍になっているにもかかわらず、なかなか世間から教育に関する満足度は上げられていないと思うわけです。お金をどんどん積み上げれば良くなるかというと、現に15年間で状況は改善していない。要はお金の使い方が問題であるというのが我々の意識としてある。
 今までの制度は文部科学省が決めたものに、地方がやらなければならない、そこがネックになって、地方分権とともに色々な状況を決め直す改革をしていただければ、より効果が上がるのではないかというのが、我々の基本的な発想なので、総額裁量性というものが方法としては評価できると思います。
 我々としてはもう少し自由度があっても良いと思います。一つは人確法という法律があって、教員は一般の地方公務員より給与を高くするという法律が昭和49年からありますが、当時は景気が良くてその時に良い人材を確保しようということです。それが現時点で必要なのかどうか、同じ給料で果たして同じことが出来ないのかと思っています。最初の部分でもふれましたが、義務教育は非常に縛りがかかっています。40人学級で行っていますが、例えばどこかの地方で50人学級にして子どもをたくさん集めて切磋琢磨させて、より強い元気な子どもを育てる、それで一人あたりの給与を上げることができる。それで非常に高い給料ですばらしい人材を確保できる、そんなことを考えようとしても、今の雇用採用制度ではできないので、その辺をもう少し地方の裁量がたくさん入れるところがあって良いと思います。
 もう一つ、退職手当・児童手当の関係ですが、やはり色々な意見があった挙げ句に今年から一般財源化されました。平成17年度から。ただしこれは暫定措置と言うことになっていて、平成18年度末までに義務教育国庫負担制度全般について検討を行い、その結果次第によって一般財源化や退職手当児童手当について後ほど考えるとなっています。
 そのような流れの中で平成16年度を向かえた訳ですが、平成16年度の時点で補助金改革でスピードアップすることではなくて、今年の秋から冬にかけて、正確には末までの補助金改革の全体像が明らかになるという話の中で、それに関わって先週三位一体改革について議論をしました。そこで義務教育国庫負担制度については、先程も申し上げましたが、平成18年度末までに検討するスケジュールになっていましたが、義務教育国庫負担制度を含めた改革を先にやるということが後からなってしまったので、それをどうするのか大変もめました。
 文部科学省や関連団体の方々においては、平成18年度末までに結論を出すことになっていましたから、それが今結論を出すしかないという話があって、三位一体改革は地方にお願いして閣議決定までしてリストを出してくださいとお願いし、出てきたものをこの時期にやると約束をしていたので、やらなければいけないだろうし、二つの意見がぶつかって相当三位一体改革の中で義務教育費国庫負担金扱いが紆余曲折しました。
 結果としてご承知のように先週の金曜日に決まりまして、義務教育費国庫負担金8,500億円を平成17年度18年度で暫定的に落とす、それぞれ半分ずつ平成17年度は4,250億円、平成18年度も4,250億円行う。ただし、中身をどのように行うのか決まっていませんので、10月の来年の秋までに中教審で検討してもらう。中教審で検討してもらうまでの暫定措置ということで取りあえず先週決まりました。これからは来年の秋に向けて中教審でしっかりと検討していただくということです。

自治労》
 来年度分の4,250億円は何になるのか。
 私たちは昭和59年から旧大蔵省が事務職員と栄養職員の給与費を地方に移管すると言い始めてから20年経っていて、その間組合員はそのことだけ心配していた。去年の末と今年の春先に総務省から、事務と加配教員で3,500億円という話が出てきた。三位一体改革で地方にボールが投げられた時に総務省に伺うと、地方からボールが帰ってきたので、そのことは消えた話だとあった。その後また議論があってこの様な形になった。削減分の8,500億円というのは、中教審で結論が出るまでは何の費用だと言わないで、2兆5,000億円総体から削減するということなのか。

財務省》
 中身は少なくとも17年度は4,250億円の中身は分かりません。18年度は17年の秋に中教審の結果が出ている訳ですからそれを受けての話だと思います。

自治労》
 今さらという話題になるが、昭和59年に旧大蔵省からお示しいただいた学校事務職員・栄養職員の課題だが、毎度、それは消えたのかという話を伺っているが、それはそれとしてまだあるとしか聞いていない。現在も財務省としては残っているという考えなのか、教育全体の財源の話になっているのかというところをもしよろしかったらお聞かせ願いたい。

財務省》
 基本的には先程も言いましたが中教審で検討することです。義務教育の制度の根幹を維持すると文部科学省はキャッチフレーズとして言っています。それならば今までの制度の中で、義務教育の根幹というのは何なのか。従来からの文部科学省の発想は全てが根幹だという話をずっとしてきました。義務教育国庫負担金には色々なパーツがありますが、その一つ一つについてこれは根幹なのかとやっていくのかという意味で、今、国庫負担制度の対象になっている全てについて、やはりもう一度検討されると思いますので、事務職員だけ検討から外れるということにはならないと思います。

自治労》
 中教審の考え方や文部科学省の考え方を聞いてきた中で、全く新たな義務教育費国庫負担制度のあり方というのは出てこないと思う。例えば総額裁量性が一番良いということで出てきたとしたら、今回決定した8,500億円はまた戻すという話になるのか。

財務省》
 義務教育について中教審での審議を経て決定するとなっていますが、三位一体の改革において総理が地方の案を真摯に受け止めて検討するという基本的な姿勢がある。結果として中教審として止めましょうということもあるが、地方の案を真摯に受け止めて検討するという下地があるなかで、中教審で1年間検討するという話なので、中教審が全く分権に沿わない案を言えるのか、そこは一連のプロセスの中で出てきた中教審で1年間の検討という話で、わたしは一定の方向性というものがあると思います。 

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【総務省】16:00〜16:30

1.(1)国庫負担制度の検討にあたって地方転嫁にあたる廃止・縮減を行わないことと、事務職員の一般財源化を先行しないことについて

総務省》
 承知のとおり、26日に政府与党による三位一体改革の基本的枠組みについて合意があった。この中で財政論中心の議論について指摘があり、地方案を尊重しつつ教育論と合わせて検討すべきということで17年度秋までに中教審において結論を得ることとなった。
 制度のあり方については中教審で検討し、枠取りのみ今回行ったうえで、税源移譲予定特例交付金に移し変えることが決まった。この特例交付金は国庫負担の削減額がそのまま措置されることとなっており地方への負担転嫁にはならないものと考える。また、結論は中教審にゆだねられたことで、今回、事務職員だけの先行実施はないと言える。

1.(2)政令市への国庫負担制度の見直しについても必要な財源移譲措置を行うことについて

総務省》
 政令市の扱いについては、次の段階として整理が必要との論議はすでにあり、中教審答申で全体の枠組みが出された後は、当然、税制体系の見直しを含めて議論されるものと考えている。

2.時間外勤務手当の算定を7%とすることや公立学校の公設民営等をおこなわないことについて

総務省》
 従来から国の予算措置を踏まえて地財計画において計上されている地方負担分を措置しており、実績等に基づき国の予算措置が変われば、当然算定も変わってくるものと考える。

3.(1)社会教育施設の運営管理については自治体の判断によるものとし、国の強制・介入を行わないことについて

総務省》
 改正された地方自治法を見ても分かるとおり、公的施設の内容や目的に沿って地方自治体が自ら判断することとなっており、国の強制や介入の余地はない。

質疑応答

自治労》
 暫定的に措置されることについては決定事項か。またゼロに戻る可能性はあると思うか

総務省》
 そのとおり。ゼロに戻る可能性については否定できない。現段階では暫定だ。

自治労》
 中教審の答申によることとなったが、総務省としてはどう見ているか

総務省》
 政府与党合意にもあるとおり、中教審では財政負担については地方案を活かす形で検討されるべきと考えている。ただし、中教審の判断は尊重されるべきだが、中教審の位置づけがある意味中立ではないことから、地方団体の代表を入れるよう求めている。
 そもそも、18年度末まで結論を出すという3大臣合意があり、それが17年秋に前倒しされたということ。国が地方に意見を求め、地方が決めたプランを重く受け止めるとした首相発言と方針から、当然それにそった議論され、答申が出てくるものと考えている。
 ただし、中教審の中間報告やこれまでの議論から、今回の暫定措置がゼロになる可能性も否定できない。

自治労》
 中教審の結論が総務省の考えと合わない場合はどうするのか。尊重するのか。

総務省》
 議論をゆだねるとなっている以上、推移を見守るしかないし、一部の論理に偏ることのないよう議論されるべきとしか言いようがない。出てこないことには何とも言えない。しかしながら、最終的には政府の決定によるところとなるわけで、中教審の結論が覆るかもしれない。ただ、まずはしっかりと議論していただきたいと思う。

自治労》
 公的施設の管理運営方式の変更について、施設の事業変更をプロポーザルにどのように組み込むのか。

総務省》
 条例によるものと思われるが、制度設計の段階で考慮すべきだろう。

 

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【国庫問題各省庁へのヒアリング 2004.10】

総務省ヒアリング

 自治労学校事務協議会は自治労中央とともに、地方六団体が中央に投げ返したボールの行方によって揺れ動く国庫問題等について、関係省庁とのヒアリングを実施することとしました。
 10月4日、まずは総務省とのヒアリングを実施しました。自治労は大門政治政策局長、比留間組織局次長、中村学校事務協議会事務局長、平野幹事、八幡担当書記が同日総務省に出向きました。総務省から対応するのは、夏の中央交渉と同じく財政調整課長です。
 自治労からは7点について質しました。(質問項目のみ)
  1.  地方6団体が提出した三位一体改革の案の全体的な評価について。
  2.  「教育の機会均一の内容と、財源問題は違う」という場合、違うといっても均一を保障するのは、財源である。義務教育費国庫負担制度以外の財源保障制度をどのように考えているのか。
  3.  教育への自由裁量を捉える場合、教育の国家的な統一・水準確保と、地方自治体ごとの裁量の幅とのバランスをどのように設定するのか。
  4.  中学校部分のみ削減された場合、これによってどのような地方自治体の自由裁量が想定できるのか。
  5.  中学校部分のみの削減を実施する場合の、検討のスケジュールと実施年度などの日程設定はどのように考えているのか。
  6.  昨年から提案してきた学校事務職員・加配教職員3000億円の先行削減は白紙としたのか。
  7.  義務教育費国庫負担制度が一部あるいは全部廃止された場合は、県費負担教職員制度について総務省としてはどうあるべきと考えているのか、また、地方分権推進の観点から当該制度を見直すとした場合、都道府県費教職員の身分は、設置者である市町村へ移行するのか。あるいは、政令市・中核市など自治体規模・財政規模などでも要件を想定するのか。地方交付税の交付先の問題として検討内容を聞かせて欲しい。

文科省ヒアリング

 総務省のヒアリングに続き10月8日(金)、自治労と自治労学校事務協議会は文部科学省に対してヒアリングを行いました。ヒアリングは金田誠一衆議院議員(北海道)、比留間組織局次長、中村学事協事務局長、富高事務局員、そして北学労から平野幹事が参加して、衆議院議員会館にて行われました。
 総務省同様に文部科学省も膨大な資料を用意し説明が行われ、ヒアリングが開始され、自治労からは以下について質しました。(質問項目のみ)
  1.  義務教育費国庫負担制度が削減された場合、地方ごとの教育格差を想定しているが、根拠を明らかにして欲しい。三位一体に関する国と地方の協議会に提出した資料以外に解明資料はあるのか。
  2.  教育の自由裁量の問題で、教育の国家的な統一・水準確保と地方自治体の裁量のバランスをどのような基準で考えているのか。中教審等で検討している内容と、実施のスケジュールとを、明らかにして欲しい。(追加質問1)政治的状況によっては中学校のみ廃止された状態でしばらく推移することも考えられるのではないか
  3.  中学校部分のみの削減に伴う法律的な整備はどのようなものが想定できるか。また、検討にはどのような日程が必要か。
  4.  昨年から総務省が提案してきていた学校事務職員・加配教職員の先行削減は、白紙となったと考えられるのか。
  5.  義務教育費国庫負担制度が一部あるいは全部廃止された場合、県費負担教職員制度についてはどう考えているのか。また、政令市・中核市などの自治体規模・財政規模での要件を基に都道府県教職員の身分を移管することは考えられるか。
  6.  義務教育費国庫負担制度を前提として検討されてきた、政令市移行の検討は中教審の作業部会での検討が進められていると聞いたが、進展状況を明らかにして欲しい。また、移管後に際してはどのような課題を把握しているかどうか。さらに、この件は国庫負担の一般財源化によって実現が左右されるのかどうか聞かせて欲しい。(追加質問1)今こそ、分権推進の観点で制度改革を進めるべきではないか。(追加質問2)学校のありようや機能も変化しつつあるなかで、政令市や中核市によっては県費負担制度が地域やまちづくりという部分における人的配置においてある意味で障害となっている状況もあるのではないか。(追加質問3)県費のまま一般財源化されることによって、市町村で望む形で金が下りてこない可能性も懸念されるが。
  7.  高等学校の授業料未納問題改善について見解を示して欲しい。(追加質問1)義務制でも給食費については同次元の問題としてあり、その規模相当大きなものとなっている。文科省として何らかのシステム作りができないか。(追加質問1)少なくとも給食費については学校給食法に基づいてやっているわけで、実施を規定しておきながら集金の問題については何にもふれないというのは違うのではないか。
 
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【2005年度政府予算獲得行動 2004.7.22-23実施】

◆厳しい国庫情勢◇3兆円の行方は義務教か◆
 自治労学校事務協議会は7月22日と23日、2005年度政府予算要請行動の一環として中央行動を実施しました。23日は幹事会を開催し、8月以降の日程の確認を行いました。 今回の中央行動は、国庫問題が山場ということもあり、地方6団体への要請行動も実施しました。これまでの、内部情報でもお伝えしましたが、国庫問題は非常に厳しい情勢にあります。インターネットの学労掲示板や学事協掲示板にも厳しい情勢が書き込まれていますが、今回の中央行動について、以下の通りまとめました。

【財務省】

 義務教育費国庫負担制度については、基本的に地方へボールを投げたので帰ってきてから、といういう財務省的には様子眺めの状況でした。生徒減少地域への激変緩和対策については、自分が鳥取県出身であり過疎地域であることから補佐が興味を持っていることを語りました。

【総務省】

総務省
 これまで10年以上議論をしてきたなかで、いよいよ税源委譲の各論に入ってきたということでは、ようやくここまで来たかという思いでいる。各論については様々な意見があることは承知しているが、少なくとも、要請書にあるような単なる地方への負担転嫁とだけは絶対にならないようにしたいと思って取り組んでいる。
 学校事務職員だけの一般財源化を先行ということについては、昨年の麻生プランではそういうように書いてあるが、額が大きくなってきたし、我々自身ではもっと広く大きくやらなければならないと思っている。
 しかし現在、地方六団体の方で検討されこちらに投げてこられるという事になっているので、今はその結果を見守りたいというところ。
 むしろ、学校事務職員だけの一般財源化を先行されるということに対して、なぜそこまで懸念されるのかということについて逆にそういった事情についてお聞かせいただきたい。一方、政令市の問題についても、負担転嫁とならないよう必要な措置が行われるのは当然のことと考えている。

自治労
 学校事務職員の一般財源化を先行されるということに対して、なぜそこまで懸念されるのかという質問があったが、若干補足をしたい。
 我々は、学校現場で少数ながらも行政職員として学校運営を支えてきたという自負があり、そうした評価に対して給与等もそれなりに位置づけられてきたと考えてきたが、旧大蔵省時代にこの問題を突きつけられてから、我々の存在は学校の設置者と任命権者や給与負担者との間で揺り動かされてきた。
 そうした中、例えば時間外手当の積算が一般行政職と異なるなどの部分であたかも、一般行政より一段低いのかという見方をされる場合がある。
 例えば、現在政令市で国庫負担の政令市移管に備えて動き出しているところもあるが、そうしたところで一般部局から「学校事務は5級足伸ばしで良いのではないか」などという話もできてきている。これでは働く者の志気にも影響を及ぼす。こうした中で学校現場の少数派であり制度の一番難しそうなところを挙げてこの経費をどうだと言われると非常に切ない。
 結局、国をはじめ文科省も総務省も我々の存在とこれまでの努力にまったく理解がなかったのかと思うと残念で仕方がない。前回この場でも、学校事務はアウトソーシングが可能ではないかなどと言われる場面があり、そうした状況からもこの件に関しては大きな懸念を持っているということだ。
 学校事務だけ外して、「とりあえずこうしておこう」次に教員部分も対象外となったので「やはり今度はこうしよう」というように制度が虫食い的になるような施策はすべきではない。

総務省
 我々としての財源問題だけではなく、制度全体の問題を議論しながら進めて行きたいとは考えている。
 しかし、なにかこう「国費で守られている」という考え方よりは、むしろ一般財源でやったほうが良いのではないか。シールドが外されると何されるかわからないという懸念があるのかも知れないが、社会情勢から言うと、何年も経たないうちにすべて一般財源化される方向にあるのではないかと思うが。
 早いほうが制度を作りやすいのではなか。
 こちらとしては早く三位一体の議論はクリアして、次の世代間の負担をどうやって制度化していくかというと話しに移りたい。次は毎年50兆円という毎年度の財政赤字を抱えているわけで、それをどうするかという議論を自治労の皆さんともやって行きたい。

自治労
 資源のない日本は人材が大きな資源という考え方もある。教育についてももっと真剣に考えるべきだと思う。

総務省
 教育のあり方というのはみんなで真剣に考えるべき。ただ、教育の問題というのは金の問題ではない。国費か地方の金かで教育の本体が揺さぶられるというのはちょっと考えすぎではないか。逆に、国庫負担がなくなった後の仕組みについてこうしたほうがよいという政策提言を積極的にしていただいたほうが我々としてはありがたい。

自治労
 そういった部分も分かるが、昨年のアウトソーシング発言のように、義務教からあくまで学校事務を切り離していくような議論に学校事務職員も不安を抱えているので、そうところも汲んでいただきたい。

総務省
 去年、総務省側が、そんなことを言ったのか…。

 
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【文部科学省】

1.学校事務の一般財源化先行実施と政令市移管について
文科省
 従来スタンスとは変化はない。4月の経済財政諮問会議で麻生プランに学校事務職員の一般財源化が盛り込まれているということがあったが、文科省としては到底受け入れることはできないと考えており、基幹職員として引き続き国庫負担の対象とするよう求めていく姿勢に変わりはない。
 政令指定都市の件については中教審の作業部会を設けて検討しており、その中間報告が今年の5月に出されている。その中でも任命権と給与支払い者の一致を求める声は大半であり、それらを合わせて委譲すべきものであるとされており、その際には必要な財源措置が前提であるとなっている。こうした意見を踏まえながら、関係機関と議論してまいりたい。

自治労
 地方六団体をまわってみて大変厳しいと感じている。8/20までにできることは何なのか一緒に考えて欲しい。また、政令市の件については今後どのようなスケジュールで進める考えなのか聞かせて欲しい。
 さらに、その財源保障については給与費だけではなく、事務的経費も含めて総合的に措置される必要があるが、そういった部分はいつ答申などが出されるのか。8/20の時点でもしかしたら、国庫の問題は終わってしまうかもしれないという状況をスケジュール的にどう認識しているのか。

文科省
 これまで、回れるところは回っているし、これまで一般財源化に賛成だったところについても、総額裁量制度について説明するなかで一定の評価は得ていると考えている。いずれにしても相手方にサイは投げられたので、意見のまとまりを見守りたい。

自治労
 取り組みについては評価する。しかし、中には義務教を一般財源化しても裁量権は増えないが、確実に一般財源化できるメニューとして評価している知事もいるので、そういうところを重点的に取り組んで欲しい。

文科省
 単に財源論だけでやっているわけでも、省益だけでやっているわけでもない。国中どんな僻地であってもそれなりの教育を受けることができるという我々の使命としてやっているので、応援して欲しい。

自治労
 各方面を回ってみて市長村会の対応は冷たかった。単なる財源のキャッチボールの問題ではないということをちゃんと設置者にも伝えて欲しい。報道をみるとあたかも国が全額見ているような印象を受けるが、実際は都道府県が半分以上を持っているわけで、一般財源化されても学校の設置者であり教育の実施主体である市町村の裁量が増えるわけではないということが議論の前面に出てきていない。最後の追い込みの中でより明確な焦点としていただきたい。

文科省
 市町村会は回っているし、都道府県と市町村の関係も説明はしているが、マスコミとして記事にならないということだろう。
 政令市移管に際しての税源委譲のことについては課題としてあがっている段階で、まだ具体案は出ていない。中教審で今後一段上のレベルで検討することになっている。もともと平成18年度までに検討するということになっており、その流れを念頭に進めてきたが、非常に状況が早まってしまったので、とりあえず急遽作業部会の中間報告を出したところだ。
 遅いと言われているができるだけ努力してインパクトのあるものにしたいと考えている。また、総額裁量制度についてもさらに多方面から意見をいただき、改革できることはやるつもりだ。

2.時間外勤務手当について
文科省
 時間外については、時間外における勤務実績に応じて支給されるものであり、現在は適正に支給されているものとの認識である。算定は6%だが、あがってくる実態は6%どころか7%にも達していないというのが実情であり、実態が伴わない以上、交付税の要望を出しても認められる状況にない。

自治労
 時間外手当について実態が伴わないと言うが、もともと一般行政についても6%だったのが7%とした時に積算をしてそうなったわけではないだろう。学校事務だけが改善されなかった理由を毎回聞いているが答えは示されていない。問題はどれだけやっているという事ではなく、一般行政に比べて学校事務は時間外が少なくてよいと判断されたことに憤りを感じている。一般部局だって時間外の多いところとほぼ必要のないところもあるはずなのに、なぜ学校事務だけが実態を問われる必要があるのか。
 例えば政令市移管後の勤務条件の検討に際しても、一般職との位置づけの差にも現れてくる懸念がある。「国も時間外手当などで違いを認めているじゃないか」という議論が水面下でも出てくると、働くも者の士気にも影響が出かねない。政令市でのそうした議論は全国の事務職員にも影響を及ぼすだろう。
 何も理由がないなら7%にして欲しい。金を上げろといっているわけでもなく、制度的に無理なことを言っているわけでもない。総務省は文科省が7%と言えばそのとおり積算すると言っているのだから、早くこの課題は解決して欲しい。よろしくお願いしたい。

 
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【2004年度政府予算獲得行動 2003.12.3実施】 

文科省交渉概要

1.国庫負担制度について
 義務教育費国庫負担金については,国が負う当然の責務であり,根幹については堅持していく。事務,栄養どちらの職員も基幹職員として認識しており,引き続き定数標準法と国庫負担金の対象として行く方針に変りはない。
 国立大学の独法化によって,教職員給与費の根拠がなくなった状況からも,総額裁量性で地方の自由度を高めたい。あくまで,政府の方針に基づいて検討してきたことなので,引くつもりはない。ここにきての総務省の主張(退職手当には反対。事務,加配教員を対象に)をはまったく筋違いと考えている。

2.学校財務制度の整備について
 学校財務制度の整備については,基本的に各地方団体で定めるべきものだが,機会を捉えて指導しているところである。

3.県立学校の定数改善について
 現在第6次定数改善計画で891名の改善を図ることとしており,来年度分は178名の改善が見込んでいる。
 一般行政が減らされている中で,増員を盛り込んでいることについて評価して欲しい。ただし,定数はあくまで設置者毎なので実際の配置は各設置者の判断ということになる。こちらとしては制約する考えはない。

4.時間外手当について
 あくまでも実態ベースにあわせた算定であり,適正な支給の指導はしている。その中であがってくるのが6%。実態に対応して支給しているということで理解して欲しい。実際問題として,財政事情が厳しい中で,増額というのは少し難しいと考える。

5.生涯学習の充実等
 必要な予算を確保したいと思っているが,補助金削減が昨日決まった。今後は一般財源化できないか,関係各省と折衝していきたい。

6.政令指定都市への移管について
 制度の変更に当たって全体的に検討しなければならない課題であり,現在は各地方の意見を聞いてとりまとめ,それからどうするかを今年度中に判断したいという状況。現実的には早くても18年度ぐらいにはなるのではないか。

 

総務省交渉概要

1.国庫負担制度について
 いわゆる骨太の方針に従い各省庁と調整中。枠組みはまだこれからだが,あくまで一般財源化できるものは一般財源化し,できる限り前倒しで進めたいというのがウチの考え方。文科省が出した退職手当などは必ず支出することが決まっている費用であり,地方の自由度にはつながらない。今後増えることが見込まれているものについては認められない。
 学校事務職員の職名を挙げたことについては,首相からの指示で何とか1兆円を確保する必要がある中,より地方の自由度を高めるためには,他にもあるだろうということで,一つの考え方としてあるだろうとしたもの。事務職員だけを切るべきだとは言っていない。今,一部を出しただけで終わらせようというのが文科省。加配分と事務職員だけで終わらせるというのも認められない。

2.政令指定都市への移管について
 政令市への負担転嫁となることは避けなければならない。ただ,具体的なことについては各地の意見を取りまとめた後で検討するということになる。

3.時間外手当について
 国の予算に基づいて措置するものであり,国の予算の積算が6%である以上,止むを得ない。

4.学校給食費を自治体予算に編入すること
 主管官庁である文科省の主体的検討があくまでも先。文科省から相談があれば適切に対応する。徴収金についても同様である。

5.公的社会教育施設の民間委託について
 指定管理者制度はあくまで一般論であり,個別法で規定されているものについては別。枠組みを地方に渡したということだけで,あくまでそれをどうするかは各地方の判断によるべきもの。

(※注)11月末に突如として総務省が対案を示した「事務職員の名指し削減」を巡って非常に激しいやり取りがありました。

 

財務省交渉
1.国庫負担について

 総務省から出た話は,突然だったのでまだ検討していない。
 事務栄養の一般財源化は今になって出てきた話しではない。今まで実現していないのは,文科省などと調整が取れていなかったから。加配教員も含めて出ていることについて現実性があるのかというと(文科省が受け入れるかどうかという点で)疑問が残る。
 財務省としては金額が出れば良い。今年退職手当が出ているのは昨年から決まっていたこと。事務,加配教員は突然といえば突然。昨年の合意を踏まえるのが良いのではないかと思うが,だからと言って財務省が反対するものではないし,そういう態度は取り合えない。
 
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【2004年度政府予算獲得行動 2003.7.16実施】

 自治労学校事務協議会は7月16日,自治労中央の要請により各県の幹事を集め,2004年度政府予算要求中央行動を実施しました。
 この日は,総務省,財務省,文部科学省と3省交渉を実施し,夕方より幹事会を開催して総括を行いました。3省交渉については,正式なまとめが後日出されますが,交渉メモということでご理解下さい。3省とも具体的な予想もでき得ない状況であり,政府の方針次第といった状況です。しかし,まな板の上にのっていることは確実ですので,予断を許さない状況にかわりはありません。
 幹事会では,印象派の発行について,自治労大会横浜での幹事会の内容について,学校事務集会(札幌)について,西日本交流集会・山口学事労20周年について話し合いました。

総務省交渉

【国庫負担について】

財務省交渉

【国庫負担について】

文科省交渉

【国庫負担について】

 

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【2003年度政府予算獲得行動 2002.12.3実施】

 自治労学校事務協議会は自治労2003年度政府予算要求第二次行動として,12月3日に中央行動を実施しました。文部科学省・総務省・財務省との交渉,幹事会を行いました。ライブラリの通信-第34号-2002.12.06もあわせてご覧下さい。

■財務省■
 国庫負担を巡る5000億円の財源について質したところ,「国庫負担について,具体的なことを言える状況ではない。今の時期にあってもまだ煮詰まっていない。総務省などと方向性も一致していないが,もはや事務レベルでどうのこうのという状況ではない。5000億円の具体的な措置についてどうするのかと言われても,今はスケジュールも何もない」とこの期に及んでも何も決まっていない状況が分かりました。財務省の姿勢については「税源委譲に消極的と報道されているが,議論の一部だけ取り出してのこと。財務省としては論点がずれていると指摘しているだけ。制度など三位一体で総合的に議論すべき。今はどこに落ち着くのか見えない。」と,本当に何も決まっていない状況が分かり,非常に驚きました。今後,月末の間に政治決着的に決まると思われます。
 自治労学校事務協議会側から「現在の全体的な議論は,過去大蔵省時代から企図してきた事務・栄養職員の給与負担についての課題は白紙に戻ったのか」と質すと,「方針は変えていない」と答えました。

■文部科学省■
 午後から行われた文部科学省交渉では,義務教育国庫負担制度に対する姿勢は従来同様の回答でした。やはり,5000億円の削減については,関係省庁間で調整中とのことで「18年度までの4年間で行なうことになっているが,段階的に行なうのか,単純に4分の1ずつ行なうのかは不明。財源措置に関する地方の指摘は理解できる。三位一体で考えるべき」と回答するに留まりました。
 国庫負担金の政令市への権限委譲については「政令市への移管問題については,地方分権改革推進会議の答申を踏まえ,関係する道府県や政令市の意見を踏まえて検討したい」と包括的な説明だけであったため,自治労学校事務協議会側から具体的に「16年度から実施はあり得るのか?」と質すと「15年度中に決定することになっており,15年度早期に結論が得られれば,16年度実施ということもあり得る」との回答がありました。
 時間外手当の積算が6%であることについて(他の行政職は7%),従来の回答に終始したので,自治労学校事務協議会は「職差別的でありモラールにかかわる」「教員特別の6%に引きずられているのか」「枠が6%なのに,6%以上の実績が発生することは考えられない」と強く再考を求めました。

■総務省■
 最後に行われた総務省交渉では,他省より若干歯切れの良い回答が行われましたが,やはり結論は未定とのことでした。5000億円の問題に対して総務省は「国庫負担から退職手当と共済長期を切り離すことについて,これらは単なる義務的経費であり,地方に何のメリットもないものだ。総務省としては地方の自主性確保や必要な経費の措置の無い内容で進めるべきではないという立場であり,今回のような切り捨ての議論には組しない。5000億円を移して自主性がどれだけ増すのかという点で税源委譲は100%でという主張をしている」と総務省の姿勢を述べ,「いずれにしても年内に決着は必要だろう」としました。
 教職員定数の話は,「例えば標準法で国が細部に渡って関与することが良いのかどうか,分権の観点で進めたい」としました。
 最後に政令市への国庫負担金移管について総務省の感想を聞いたこころ,「実施するだろう。但し,学級編制な都道府県が持っていた権限と税財源確保はセット。しかし,過去の例では,移す権限毎,個別の税財源の委譲を行なったことは無い。指摘のように国庫負担金を受ける政令市側の事務的経費の増大など関係する部分が多々あり,税財源確保など技術的にも難しい問題がある。具体的な課題についてさらに検討が必要と思っている」としました。

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【2003年度政府予算獲得行動 2002.7.10実施】

 
  自治労は2003年度政府予算獲得行動を7月より実施しました。これに合わせ自治労学校事務協議会は2002年7月10日(水)午後1時30分からの日程で中央行動を実施しました。
 速報的な内容として以下に記しますが,受けた印象としては不況下での国の各種改革のなかで「地方分権改革推進会議」「経済財政諮問会議」まかせという印象がありました。しかし,それらの事務局的な立場を担っているのはまぎれもなく各省庁の官僚であるので,各省庁への要請行動や交渉は欠かすことはできません。確定期に向けて,10月には大きな方針も出るようですので,今後もそうした動きに対応した情報収集や交渉が必要です。
 終了後,幹事会開催後,交流会を行いました。
 交流会はあるお祝いの会を兼ねて実施されました。お祝いは,元事務局長を務め,現在シアタープロジェクトを主催されている高島琴美さんがご結婚とのことで在京の東学の音頭により開催されました。

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◇文部科学省 14時
文科省
 義務教育費国庫負担制度については従来からの堅持の姿勢に変化はない。政令市について,ねじれ現象は解消すべき問題と捉えて検討は行っているが,来年度ということでは考えていない。文科省としても定数に関して事務栄養職員のみ外すとの地方分権改革推進会議の意見については同意できない。これからのヒヤリングで対応したい。時間外手当7%問題はいまの厳しい社会情勢から増額要求は難しい。IT講習については地方負担の少ないように努力する。

自治労
 時間外7%は学校事務だけ取り残されている理由が曖昧なので根拠を述べて欲しい。義務教育費国庫負担制度は地方負担にならないように強く要請したい。また政令市について検討する場合でも地方への税財源の問題を抜きにした検討はあり得ないことと,その際は定数などの権限の全てについての政令市に移すべきと考える。国立大学の独立法人化問題の対応は検討中であるとのことだが地方への影響が多大なので慎重にして欲しい。

◇財務省 15時
 財務省では主計官の人事異動日と重なったため,主計官との直接交渉はできなかった。財務省主計局文部科学第2係長に要請書を手渡し,合わせて,金野議長より義務教育費国庫負担制度の地方転嫁を行わないよう強く要請する。要請内容について改めて財務省の回答を得るため,時間を設定するように依頼する。

 

◇総務省 16時
総務省
 義務教教育費国庫負担制度について地方転嫁があってはならないという考え方に変わりはない。学校財務については学校給食費については,市町村の歳入にする必要がないというのが文科省の判断。その他の経費についても学校に特化した制度が必要か疑問。いずれにしても文科省の判断があってのことで,総務省から提案することは難しい立場であるので文科省から相談を受ければ対応したい。時間外7%については,文科省からは議論として出されていないので,高校に対する地方交付税も義務教と同率にせざるを得ない。スクーリング休暇制度については,国の制度などがどうなっているのかそこからの話となる

自治労
 地方分権改革推進会議の実質的な事務局を総務省で担っているのだから義務教育費国庫負担制度が地方転嫁にならないように本答申に向けて取り組んで欲しい。時間外については学校事務のみ6%に据え置かれているのは職種間の差別であり,このことが全ての勤務条件に影を落としていると認識している。

4.参加者 合計 19名
(1) 学校事務協議会
金野順一(北海道本部),平野正志(北海道本部),能代隆行(北海道本部),加藤忠(岩手県本部),橋本充豊(岩手県本部),中村文夫(埼玉県本部),富高敏行(東京都本部),天野優(神奈川県本部)飯田(神奈川県本部),高原修治(福井県本部),三浦悟(長野県本部),上原孝子(岡山県本部),影山克巳(岡山県本部),武波謙三(山口県本部),緒方英雄(熊本県本部),林恵美(熊本県本部) 小計 16名

(2) 大都市共闘教育部会
今川義博(宮城県本部),荻原周子(神奈川県本部)

(3) 連携友誼組織 ※本部から県本部経由で要請
石尾由美子 北海道公立学校職員組合連合会(北海道本部)

 

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【2002年度政府予算獲得行動…経済財政諮問会議11/2の意見が気になる】速報版

各県から集まった組合員
 2001年11月29日,自治労学校事務協議会は自治労の2002年度政府予算要求行動の一環として中央行動を実施し,総務省,財務省,文部科学省と交渉を行いました。終了後,自治労本部において幹事会を開催し,国庫問題を巡る情勢について自治総研の島田さんより詳細なレクチャーを受けました。今後の動向は次の動きによって決まってくるのは確実で,,相互の関係によってあらゆる方向へ流れる可能性があり,国庫問題は非常に厳しい情勢にあることが分かりました。

・経済財政改革諮問会議
・地方分権改革推進会議
・市町村合併
・自治法改正の動き
・義務教育国庫負担制度をやめる動き
・各省庁の思惑
・政治(家)の介在
 【
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 総務省交渉は14:00から行い,総務省から国庫について回答があった。(1)国庫負担除外の件は今の時点で話が来ていないので,来年は無いだろう。(2)来年以降,本格的に地方財政にとって厳しい状況を迎えることになり,ますます歳出抑制がかけられることになるだろう。
 10月3日の文部科学省自ら地方分権改革推進会議へ出した「義務教育国庫負担金を政令指定都市へという話」に対して,(1)ずれている給与負担と任命権を一致させる問題と認識している。(2)文部科学省としても制度の内容を変えるという話ではないだろう。地方への負担転嫁は一切認めないというのが総務省の考え方であることに変わりはないし,この機に乗じて,内容の一部変更による地方負担増などということも認められない話だ。(3)逆に政令指定都市など自治体側でどう考えるのかが先だろう。当然,金だけ負担する話しは誰も受けないだろう。権限,税財源がセットになっての話しだと思うし,受ける側にとってはその他事務経費等の問題も大きい。(4)いずれにしても今すぐの話ではないと思うが,来年でも10年先の話でもないということのように聞いているので,そう考えると2〜3年以内ということだろう。
 時間外手当の積算について一般の行政職が7%に対して6%のままであることに対して,あくまで国の予算が6%なので,交付税措置も6%となっているに過ぎない。国分が変われば地方分も変わるとの判断。

財務省へ自治労の要望書を提出
 財務省交渉は15:00から行われ,冒頭の挨拶で金野順一議長が「ここで国庫問題について断念すると明言して欲しい」と述べたことに対して,「国庫負担制度については,限られた財源の中で重点化すべきところはどこなのかという考え方が必要であり,こうした考え方は従来どおり。一般財源化で地方分権を推進したいと考えている。経済財政諮問会議での民間議員4名から「事務・栄養を地方負担へ」という話も出ている。このような状況を考えると,むしろ今回が一番厳しい情勢だ」と述べた。
 「経済財政諮問会議の民間議員の意見書は財務省がペーパーを書いたのではないか」と中村文夫特別幹事が迫ると,「私どもが持って行ったと思われているのは誤解だ。この件以外にも多くの意見が出てきており,いちいちコメントはしていられない」と口を濁しましたが,これは鵜呑みにはできない回答。
 国庫負担を政令指定都市へという話については,国の負担が変わらないので財務省としては興味が無いという雰囲気で,話しが負担割合に及ぶと,例えば国1/3,道府県1/3,指定都市1/3という話しなら興味はあると目を輝かせた。
 「当初の財源問題から制度の問題に移り変わり,再び財源の問題とスタンスが変化しているようだが」との質問すると,「財政的には厳しい状況にあるので,強く意識せざるを得ない。財政の理論としては,制度の趣旨に沿って国が本当になすべきことを考えたい。財源を委譲して地方に任せるという議論には,まだそこまではいかないだろう。必置規制の見直しについては,文部科学省が国の責務としてどう考えるのかによるし,国の負担が無いのなら当然文科省の考え方を尊重する。財務省としてはあくまで財政的な観点で考える」と税収悪化と小泉内閣の国債30兆円の枠による厳しさをにじませた。
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文科省で交渉
 文部科学省交渉は16:00から開始し,要望書の回答を求めた。

(1)国庫について文部科学省スタンスに変更はない。
(2)国立大学の独法化については,教特法等の根拠を失うこととなるため,教育職員にとっては大きな問題だろう。今後人事院が出すのは,「参考基準」ということになり,これを基に国が金を出すわけにはいかないので,新たな根拠探しが必要となる。現在,内部で検討回を発足したところ。
(3)時間外手当については,実績が上がればやるが,現状で実績がついてこないので空鉄砲を撃つわけにも行かずに困っている。
(4)IT講習に関わって,整備したパソコンを事務用に転用するということについては認められない。公民館や図書館などにおいて,自学自習型のソフトなどを活用して住民に広く利用できるような方法で活用して欲しい。

 質疑のなかから,国庫を政令指定都市に変更することは,財務省あたりから何か酷いプランを出される前に《タマだし》したものであり,地方分権推進のために何か無いのかと言われれば,政令指定都市の問題は過去から任命権と給与負担がずれている訳で,制度創出時から議論もあったとしました。
 「単に費用負担だけでは政令指定都市が納得しないのでは」と水を向けると「単に給与費の転嫁では政令指定都市は納得しないのは分かっている。いずれにしても,道府県,指定都市の意見を十分聞きながら検討したい」としました。 最後に「国庫を政令市にの話は検討を始めたところだが,県より大きな市もあるし,アンバランスは認識している。人事権もあるのだから当然,定数もどうかという話にはなる。実際に,今年度から中核市へ県から定数を一部委譲する動きもあるようだ。いずれにしても,初中局企画課と財務課で問題点の洗い出しを始めたばかり」。

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【2002年度政府予算獲得行動・省庁再編後初の交渉】速報版

 自治労の2002年度政府予算要求行動の一環として,自治労学校事務協議会は7月11日(水)に中央行動を実施し,総務省,財務省,文部科学省と交渉を行いました。終了後,自治労本部において幹事会を開催し,各地の状況報告,自治労旭川大会での幹事会について,学校事務集会を西日本集会と共催で熊本県で開催することなどを協議しました。

 総務省との交渉では,国庫問題について総務省は単なる費用の地方の押し付けとなる内容であれば絶対に認めることはできないとしました。冒頭の挨拶で金野順一議長が池田小での事件に触れ,哀悼の意を表すとともに「緊急対策が出そろったが,緊急対策以後の学校の安全対策に不安がある」としたことに対して,総務省は同感であるとし,緊急対策については各地の取り組みを特別交付税や地方債で財政的な支援をすることを決定したとしました。また,当面の緊急対策以外に長期的に見た抜本的な学校の安全管理のあり方については,研究会を立ち上げるなどについて文部科学省と相談していく姿勢を明らかにしています。

 文部科学省では,国庫問題は従来通りの考えであることを示しました。池田小の事件に係わっては安全対策については万全の対応を行うことは当然としながらも,「学校を開く」ということが停滞することが懸念されるので,そうならないようにこれまで同様に取り組むとの立場を明らかにしました。不適格教員の件については,「報道の実態がどうでれ,本省としては不適格教員という言葉も使っていないし,単純に自治体等の事務職員にするということも言っていない。あくまで不適格であれば分限処分でやってもらう。児童生徒に対する指導力不足教員に対しては,その人の持つ専門性などを考慮し能力が発揮できる部署で働いてもらいたいということだ。」と強調しました。

 財務省では,残念ながら7月の人事異動で文部担当の主計官が着任しておらず,総務担当の役職者が要求内容を聞き,全て伝えることで一方的に説明して終わりました。今後,着任後,何らかの機会を持って事務折衝を行いたいとしました。

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【2001年度政府予算獲得行動・3省交渉を実施】

 自治労学校事務協議会は12月5日に幹事会を開催し,12月6日中央行動(3省交渉)を実施しました。9時半にJTビルに集合し,10時から全国から集まった自治労の仲間が二手に分かれ,自治省と文部省で交渉を行いました。紹介議員は江田五月参議院議員。文部省交渉は自治労大都市共闘教育部会と共同で実施しました。
 以下,要求書に基づき特徴的な項目について,概要を速報します。

【文部省交渉】

1 学校評議員

 地方分権と学校の将来では,学校評議員制度の充実を要請。地域の声を聞くということからして,行政の経験者より一般の市民に参加してほしいと回答。自治労側から,今回の制度によれば評議員は一人だが,将来的に欧米の学校協議会的なものを想定しているかと質したところ,「今のところ考えていない。もっとも文化が違うので同じとはならないだろう」と回答し,自治労側が「やってみないと分からないというところか…」と聞くと同意した。

2 不適格教員を県教委事務職員へ

 文部省は不適格教員の件について,教育改革国民会議の中で出た話だとし,文部省の言っていることではないとした。しかし,文部省は「教育改革国民会議の結論によれば対応せざるを得ないと思う。新聞報道が刺激的だったせいか不適格教員のとらえ方が違う。不適格な懲戒等にあたる者については,元々人事上の措置で行うことであり,それが今まで機能してこなかった。これらを教員以外の道で対応することではない。頑張っているが教員に向かない者について考えるという話。これは行政等に向いている教員の配置換えをするための措置であり,地教行法40条の改正となるかどうかは具体的にはまだ決定されていない。都道府県教育委員会職員への配転については,方向性が出れば次国会にあげる予定でいる」と回答した。自治労側からは「この問題については現場から激しい憤りの声が寄せられている」と繰り返し,不適格教員の事務職員への配転をおこなわないよう要請した。

3 時間外手当の積算

 行政職員の時間外手当単価が7%なのに対して学校事務職員は6%しか予算措置されいない点への改善に対して,文部省はまずは実績を作ることであると回答。7%要求するとした前回の話を後退させた。

4 定数

 定数に関して文部省は,「新聞で《公立小中20人授業》との記事が出たが,この年末にかけての大蔵省との話はそんな甘い状況ではない。県立学校の統廃合に伴う定数の回復措置についてもやりとりをしている最中である。事務職員の定数改善は,事務職員を集めていく方向しかないのでは…」と語った。自治労としては,共同実施は地方ごとの判断があり,必ずしもそのように中央で断言することはできないと反論。15年来の懸案である「義務教育費国庫負担問題」について,文部省は「この2〜3年課題としてあがっていない」と回答した。

5 協栄生命

 協栄生命の破たん問題は,「協栄生命と日本教育公務員弘済会とは団体契約を介して親密な関係であることは承知している。契約者に不利益が生じないよう,協栄生命の更正手続きを見守りたい,今後とも情報提供をしていきたい」と回答。自治労は弘済会の指導をしっかり行って欲しいと重ねて要請をおこなった。「道義的責任については当然あるだろう」とした。

6 IT講習会

 IT講習会が平成12年度緊急実施される件に関して,現場が加重負担にならないよう要請。「講師,補助者の選任は見つけるのが大変だが協力して欲しい。専門学校や大学などへも協力を要請していく。実施に向けてモデルになるテキストやビデオを作成して配布したい」と回答した。

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【自治省交渉】

1 国庫問題

 国庫問題について,国と地方の役割分担を明確にしたものとしてある制度である。単なる地方転嫁は当然受け入れられるものではない。特に今年は,どこからもその話は出てきていないので,まず無いだろう。もっとも今からでは間に合わない。

2 IT講習会

 IT関連については,文部省の担当部門と十分連係している。混乱の無いように進めることとなっており,問題があれば自治省としても聞いて対応したい。ただし,所管はあくまで文部省。単発の事業であり,今ある施設を使って行うこととなっており,基金も来年度いっぱい。地域格差について,国として口をはさむのは交付税である以上限界がある。

3 給食費の徴収

 給食費徴収について,自治法令に入れることが無理というわけではないが,要は文部省がどういう位置付けをするかが問題。給食費を公金として良いかどうかは文部省の判断がまずあってのこと。各自治体の判断で歳入にしても,適正に行われている上ではかまわないが,そこでも適・不適の判断は文部省の位置付けによるので自治省としては今は発言する立場に無い。仮に公金とする場合,出納員等の補助執行の位置付けが当然必要となる。

4 定数

 定数問題について,文部省と今,改善計画の実現を含めて正にやりあっているところである。地方は10兆円を超える財源不足があり,一般職の定数管理も厳しくなっている中で,教員だけ定数増という話しも難しい。現時点では,話せる内容は無い。

5 不適格教員を事務職員へ

 「教育改革国民会議」は,文部省と遮断された中で自由な発想で議論しており,その中で出た話しと認識している。まず,文部省がどう考えるのか聞きたい。そのうえで,こちらに相談があれば地方行政・地方財政の観点で自治省として発言していく場面が出るかもしれない。

6 時間外手当の積算

 時間外手当の増加について,文部省から話しはきていない。県立は小中と分けてという考えもあるが,同じ事務職員として義務と同一に押さえていくことが妥当と思われる。今は,一応空欄で事務を進めている。

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 大蔵省交渉は,昼食と打ち合わせをはさんで午後1時30分より,峰崎直樹参議院議員と行いました。大蔵省交渉の後,文部省前で内容を若干確認し,解散しました

【大蔵省交渉】

1 国庫問題,他

 大蔵省はこの件について,「そもそも教育のあるべき姿がどういう姿かという議論が基本である」と従来の考えを述べ,「教育に関する国の関与の仕方であるので事務・栄養だけではなく,議論されるのは教員も一緒である」とした。
 続けて,見直しの方法としては,制度を根底から見直すのは難しいため,一つの切り口として「職種」という切り口もある。しかし,この件は議論になっておらず,今年の大きな課題は定数改善だ。国庫問題について何かあるとすれば,この時期ではなく,早めに皆さん方と議論しなければならないと思っている。
 定数改善について,教育に限らずあらゆる分野において,様々な角度からの見方や考え方を持つ方々がいる。少なくとも,どういうことが改善されたのかを見極める必要がある。今回の定数に関しては,文部省が大枠をきっちり固めてきたという印象を持った。
 自治労側より「政令市に関して,政令市を抱える道府県の協議会で,国庫を政令市へという話が出ているがどうか」と聞くと,文部省からの要求は無いが要求が無ければ制度は変えないというものではないし,この件についても自治省とは議論したことがある。あらゆることについて,同じ効果が得られて安く済むなら安い方が良いし,納税者にとっても良いこと。しかし,金だけ削れば良いという認識は持っていない。例えば文部省から蛍光灯の問題が来ているが,こういうことはキチンとするつもりだ。
 いまは私たち査定側の説明責任も考えなければならない。

2 時間外手当の積算

 自治労側から「人事交流がある県立と県の超勤手当の積算額が違うのはおかしいのではないか」と質したところ,6%と7%と違うのではあれば不満はあるでしょうと応えながら,義務教については制度上実質額の1/2となっているので%ではない。予算は仮定として立てているので,制度的には足りなければ「清算」するだけ。従って文部省とも%の話はしていない。国と自治体の予算組みの中で,この問題が鶏が先か卵が先かの迷路に入っていることは分かった。

3 地域拠点としての学校の整備・他

 大蔵省はいろいろ勉強していきたいと語った。自治労側から「小さな自治体などの議論があるが」と質すと,住民を引きつけ,ひいては学校を良くするという観点で制度として勉強させてもらいたいと応えました。
 不適格教員の配置換えについては,その分の費用を負担する等の話として来ていない。例えば義務教の制度から外れた職員は,義務教の制度でみるべきと考えていないのではないかと語った。

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【2001年度政府予算要求第1次行動・学事協3省交渉を実施】

 自治労は2001年度の政府予算に対する第1次の中央行動を7月26日から28日の日程で実施しました。自治労学校事務協議会は中央行動に参加するとともに,文部省,大蔵省,自治省に対しての交渉を実施しました。主な問題について,取り急ぎ速報として報告します。

★超勤手当7%の予算増の要求…文部省が予算要求を明言

 自治労学校事務協議会では昨年より学校事務職員の超勤手当の枠を6%から7%に増額するよう要求していました。しかし,文部省は実績があれば7%でも支給すると回答し,学事協側の予算で示さなければ自治体を説得できないとする「鶏か卵か」(実績か予算枠か)の議論に終始しました。今年も厳しく予算枠について質すと「大蔵省に対して7%で予算要求する」との回答を引き出すことができました。大蔵省は,(総選挙が終わったばかりで)何も手をつけていないとしながらも明確な否定はありませんでした。高等学校の事務職員については自治省が所管しているため,7%について質すと大蔵省で7%が決まれば,自治省の積算も同様にする旨の回答しました。

★高等学校の統合…義務教と同様な経過措置が必要

 高等学校の統廃合による事務職員の定数等の問題について,文部省は,義務教に取扱いが定められているが高等学校には無いので,同様な措置が必要との判断を述べました。

★義務教の国庫問題…大蔵省のニュアンスでは大きな変化は無い模様

 事務職員と栄養職員の給与費を義務教育費国庫負担制度から除外するという十数年来の問題について,大蔵省に断念を求めましたが断念するとの回答は得られませんでした。大蔵省は見直しの考え方として,ある職種の給与費などという教育の一部を取り上げた議論でなく,国と地方の教育あり方について大きな視点で議論する必要があると述べました。様々な話し合いの最後に,自治労学校事務協議会側が「総選挙で来年度予算に手がつくのが遅くなり,来年の省庁再編成,文部省の新たな定数の議論も5月に出ているなか,大きな議論も無いからには国庫問題は今年は無いのですね」と念を押すと,苦笑いで明言をさけたものの大きな変化はないものと受け取れましたが,引き続き注視していきます。

★給食費,教材費などの私費問題を3省にぶつける

 給食費の公金扱いへの移行要求,修学旅行や教材費などの学校徴収金・団体会計(私費)について議論を行いました。給食費について現在でも自治体判断で公金として徴収可能との消極的な回答に終始し,いわゆる私費は「学校や自治体の問題」と主体的に関与することを避けました。しかし,自治労学校事務協議会は「学校の危機管理」として実態を把握し,情報公開に耐えられる処理方法について指針を示すべきであると主張しました。
 一方自治省は,給食費や私費会計については教育を所管する文部省で判断すべきこととしながらも,適正に取り扱われているはずであるとの思いを述べるに止まりました。

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【中央行動 1999.12.2〜3】 

 自治労は12月2日〜3日,2000年度政府予算要求第2次中央行動を実施し,政府及び中央省庁に対して要求を行いました。
 自治労学校事務協議会は,大蔵省,自治省,文部省に対し要求書の回答を求めて交渉を行いました。
 十数年来の懸案である事務職員と栄養職員の給与費の国庫負担を除外するという「国庫問題」について,大蔵省と自治省の回答から,2000年度においても現状維持される確信を得ました。交渉の速報詳細は各単組の情宣をご覧下さい。印象派の次号で詳細をお知らせします。

 大蔵省交渉では,学事協側からの「教育の大改革が行われているなか,事務部門も対応が必要である。しかし,労働条件の激変となる問題を突きつけられていては腰が定まらない。もう,この問題を下ろすように」との申し入れに対し,大蔵省は「削減メニューに載せられた皆さん方の気持ちは理解しているつもり。現状としては明確な回答はできないが,改革を必要とする課題のメニューに皆さん方の国庫問題もあるが,他の検討課題と同じレベルと考えていただいて結構。国庫問題に関して,すでに事務職員や栄養職員の問題ではなく,国が教育に対してどのように予算付けするかの問題であり,全体論議が必要と思う」と考え方を明らかにしました。

 自治省交渉では,「この時期になっても,大蔵省と文部省から何も言ってきていない。国庫を切ったら地方交付税などの措置が必要だが,全く想定していない。来年度も変化は無いものと判断して良いのではないか」としました。

 翌日,10時より文部省交渉が行われました。

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